Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

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2019年3月25日

Vol.1468 世界景気への懸念を背景に市場に動揺が走る
~米中協議の進展や、景気配慮の動きの拡がりに注目~

米FRB(連邦準備制度理事会)が今月19、20日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、景気に配慮したハト派色を一部の予想以上に強めたのに続き、22日には、欧米の3月の製造業PMI(購買担当者指数)が予想に反して低下したことなどから、世界景気への懸念が拡がり、欧米で長期金利の低下が進んだほか、株価は大きく下落、円相場が1米ドル=109円台に上昇しました。なお、米国の10年国債および3ヵ月物財務省証券の利回りが「長短逆転」状態となり、景気減速の予兆と一部で捉えられたことなども、投資家心理に悪影響を及ぼしたとみられます。そして、週明け25日には、日経平均株価が一時、700円超の下落となるなど、アジアでも株価が軟調となりました。

今回のFOMCでは、2021年にかけての政策金利の見通しが引き下げられ、従来2回とみられていた年内の利上げはゼロに、そして、20年は利上げ1回、21年は利上げなしとなりました。また、FRBの保有資産の縮小を9月末に終了させる方針が示されました。金利見通しの引き下げや資産縮小の終了は、方向性としては市場の想定どおりだったものの、年内の利上げがゼロとなったことや、資産縮小の終了が年末ではなく9月末とされたことなどは、一部で意外感をもって受け止められました。ただし、GDP成長率の見通しも下方修正(2019年:2.3%→2.1%、20年:2.0%→1.9%)されたものの、21年の見通しは1.8%で据え置かれるなど、FRBは米国経済について悲観的になったわけではありません。また、3月の製造業PMIについては、ユーロ圏の中核国、ドイツで前月比▲2.9ポイントの44.7と、2012年8月以来の低水準、ユーロ圏全体でも▲1.7ポイントの47.6と、13年4月以来の低水準となったほか、米国でも▲0.5ポイントの52.5と、17年6月以来の低い水準となりました。ただし、PMIは50が好不調の境目で、ドイツではこれを3ヵ月連続で下回ったものの、米国では引き続き上回っています。

米国発の通商摩擦が燻り続ける中、世界景気への懸念が折に触れて強まり、市場の動揺につながっています。しかし、今週28、29日および4月初めに閣僚級協議が予定されているなど、米中協議が継続される限り、全ての問題が一度に解決することはなくとも、事態は良い方向に向かうと期待されます。また、中国で景気支援策が発表されているほか、FRBだけでなく、ECB(欧州中央銀行)が年内の利上げ開始の見送りを決めるなど、主要国で景気に配慮する動きが拡がりつつあることも、今後、世界景気の回復・拡大の後押しにつながると期待されます。

【図表】[左図]米国の金利および物価の推移、[右図]米国とユーロ圏の景況感の推移グラフを拡大

米FRBなどの信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

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