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2019年3月29日

Vol.1469 再度、不穏な動きを見せるトルコ・リラ
~統一地方選挙後のエルドアン政権の舵取りに注目~

昨年夏に急落したトルコ・リラは、11月末にかけて持ち直した後、概ね横ばい圏で推移していました。しかし、今年2月以降は下落傾向となり、今月22日には対米ドルで一時、6%超の急落となるなど、不穏な動きとなっています。

足元でのリラ安の主な背景として、トルコがロシア製ミサイル・システムの導入を目指していることなどに伴ない、トルコと米国の関係悪化が懸念されることや、経済面で結びつきの深い欧州の景気鈍化に伴なう輸出減少などの懸念、さらに、3月31日に統一地方選挙を控えての政治面での不透明感などが考えられます。また、22日のリラの急落には、前日に発表された外貨準備高の急減や、22日にユーロ圏の製造業景況感が約6年ぶりの低水準となり、欧州景気への懸念が強まったこと、さらに、イスラエルを巡る問題で、トルコと米国の関係悪化が懸念されたことなどが影響したとみられます。こうしたリラ安を受け、中央銀行が実質的な利上げを行なったほか、政府が、海外勢によるリラの空売りの抑制を狙い、海外金融機関にリラを貸し出さないよう国内金融機関に要請したと報じられています。リラの空売りが困難となったことにより、海外勢がスポット市場でのリラ調達を余儀なくされたことなどから、リラはいったん反発したものの、不安定な動きが続いています。なお、トルコの株式・債券などの取引については支障ありません。

3月31日投開票の統一地方選挙は、3大都市の市長と各県の知事を選出するもので、実権大統領制移行後初の大型選挙となるため、エルドアン政権への信任投票とされています。物価高や景気悪化などを背景に苦戦が見込まれる中、エルドアン大統領率いる与党・AKP(公正発展党)は減税などのバラマキに加え、銀行には金利引き下げを、民間企業には10%以上の値下げを要請するなど、場当たり的な統制色を強めてきました。今回、海外金融機関へのリラ貸し出しを止めるように要請したことも、選挙を睨んでの一連の動きとみられます。ただし、トルコは経常赤字体質で、海外資金への依存度が高いだけに、政府のこうした統制などによって海外からの信頼が揺らげば、資金調達や対内直接投資の受け入れに支障を来したり、一層のリラ離れにつながる恐れがあります。それだけに、選挙で下されるエルドアン政権への評価と、それを受けての政権の舵取りが注目されます。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコのGDPおよび経常収支の推移グラフを拡大

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