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2019年4月3日

Vol.1471 トルコもついに構造改革路線に舵を切るのか?
~選挙漬けの時期を終えたエルドアン政権の動向に注目~

3月31日投開票のトルコの統一地方選挙で、エルドアン大統領率いる国政与党AKP(公正発展党)は首都アンカラや最大都市イスタンブールの市長選挙で手痛い敗戦を喫した模様です。ただし、地方では手堅く票を集めたことなどから、与党連合として50%超の得票率を維持したという点では善戦とみることもできます。このように、結果は微妙ですが、今後の注目は、選挙漬けの時期を終えたエルドアン政権が構造改革に乗り出すか否かという点です。

同国では、クーデター未遂事件があった2016年を除き、2014年以降毎年、大きな選挙がありました。この間、エルドアン氏やAKPは景気浮揚を最優先し、中央銀行が物価上昇や通貨下落の抑制に向けて金融引き締め姿勢を示すと、繰り返し痛烈な批判を行なうほどでした。さらに、国民の支持をとりつけることなども視野に、しばしば対外強硬姿勢をとりました。ただし、憲法改正に成功し、実権大統領制への移行を達成すると、エルドアン政権は昨年9月、財政規律の強化や構造改革の実施、中央銀行の独立性などを盛り込んだ経済計画を打ち出しました。それにもかかわらず、今回の統一地方選挙に向けて同政権は、物価高や景気悪化など、環境が厳しいことを背景に、減税などのバラマキを行なっただけでなく、銀行には金利引き下げを、民間企業には値下げを要請したほか、3月下旬には、海外投資家によるリラの空売りの抑制を狙い、海外金融機関にリラを貸し出さないよう国内金融機関に要請したと報じられるなど、統制色の強い場当たりな対応を繰り広げました。こうした「前科」に加え、統一地方選挙で都市部を中心に信認の低下が明らかになったことなどもあり、同政権が今後も、強権的で場当たりな政策や対外強硬姿勢を維持・強化するのではないかとの懸念が市場では強い模様です。

ただし、今のところ、2023年まで大きな選挙が予定されていないことを踏まえると、短期的には国民に痛みをもたらすものの、中長期的には大きな効果が期待される改革を実行するには、今が好機とみることができます。しかも、エルドアン大統領は4月1日未明の勝利宣言において、詳細には触れなかったものの、次の総選挙に向け、強力な経済改革を実現すべく、重要な構造改革に取り組むと述べています。これが今度こそ実現するのか、それともまた裏切られ、強権的で場当たりな対応が続くのかが注目されます。4月25日には中央銀行の政策会合が予定されており、政権側が中央銀行の独立性を揺るがすような言動を慎むかどうかが最初の試金石になるとみられます。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコの主要金利の推移グラフを拡大

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