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2019年4月24日

Vol.1479 商品化へのカウントダウンが始まった
「ゲノム編集食品」

厚生労働省は3月、ゲノム(全遺伝情報)編集技術で開発された「ゲノム編集食品」について、特定の遺伝子の削除によって作られた食品については、届出だけで販売可能とする方針を固めました。届出方法や食品表示などについての議論はこれから始まるものの、今年の夏にも届出の受付が始まる見込みです。

ゲノム編集とは、狙った遺伝子を効率的に改変する技術のことで、これにより、動植物に任意の特性を与えたり、取り除いたりすることが可能になりました。従来は運任せだった突然変異による品種改良を、この技術により、計画的に行なうことが可能となり、効率性が飛躍的に高まったことで、ゲノム編集技術を使った食品の開発が活発になっています。現在、実用化が期待されるゲノム編集食品には、血圧の降下やストレスの軽減に効果があるとされる成分「GABA(ギャバ)」を豊富に含むトマトや、温暖化による異常気象などの影響を受けにくいカカオ、肉厚で可食部の多い真鯛などがあります。

遺伝子を改変した食品というと、「遺伝子組換え作物(GMO)」が思い浮かぶかもしれません。GMOは、他の生物の遺伝子(外来遺伝子)を導入することで、害虫や病気などに強い品種を作ることができます。しかし、遺伝子の組み換えに成功する確率が極めて低いことに加え、外来遺伝子を組み込むという自然界では起こりえない変異を引き起こすことなどから、安全性を懸念する声もあります。一方、ゲノム編集技術の場合、遺伝子改変の高い成功確率に加え、特定の遺伝子の削除など、外来遺伝子を導入しない遺伝子の改変も可能となります。

今回の厚生労働省の方針では、特定の遺伝子の削除によって作られた食品は安全性の審査が不要となる一方、外来遺伝子を導入する方法で開発された食品については、GMOと同様の審査が必要です。各国の状況を見ると、米国では2018年3月、農務省がゲノム編集農作物の栽培を一部を除き規制しない方針を発表し、2019年より、オレイン酸の含有量を増やした大豆の流通が始まっています。一方、欧州では2018年7月、司法裁判所がGMOと同様の規制が必要との判断を下しました。このように、現時点では、各国・地域でゲノム編集食品に対する姿勢は異なっているものの、地球規模の人口増加による食糧不足などへの対策として有望な技術と期待されることから、今後、ゲノム編集食品の開発・生産が活発になると考えられます。

【図表】[左図]ゲノム編集食品の代表例、[右図]ゲノム編集に対する各国・地域の規制状況

各種報道などを基に日興アセットマネジメントが作成

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