Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

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2019年6月3日

Vol.1491 米中貿易摩擦などを背景に、
軟調となった半導体株

米国上場の主要半導体株(フィラデルフィア半導体株指数)は、今年4月に史上最高値をつけたものの、5月は一転し、月次騰落率が10年半ぶりの大きな下落となる▲16.7%となりました。

その背景として、米商務省が中国通信機器大手ファーウェイをエンティティリスト(米政府が国家安全保障などに対するリスクと判断する個人・企業などのリスト)に追加したことにより、米政府の認可なしに米国製品・サービスを同社に売却することが禁止されたことや、クアルコムが反トラスト法(独占禁止法)に違反したと米地裁が判断したことなどが挙げられます。特にファーウェイは、スマートフォン市場で約14%の市場シェア(出荷台数ベース、2018年)を持ち、世界の半導体需要の約4%を占めるとされます。そのため、部品のサプライヤーなどへの影響がどこまで広がるのか不透明であり、事態が落ち着くのには数ヵ月を要するとみられます。さらに今後、中国の報復措置がより広範囲に影響を及ぼす場合や、米国による中国への全般的な輸出管理措置などにつながる場合、市場の更なる下押し圧力になる可能性があります。

半導体市場は、WSTS(世界半導体市場統計)によると、2012年から2018年まで、シリコンサイクルに伴なう好不況の波がありながらも、年平均8.2%の高成長となりました。特に2017年と2018年は、メモリ市場を中心に電子機器向けの需要が旺盛となり、市場が拡大しました。一方、2019年は、メモリ市場の反動減や、米中貿易摩擦、世界経済の先行き不透明感などから、減速が予想されています。

しかし、車載システムや人工知能、ビッグデータなどの分野で半導体の力強い需要は続くと予想されているほか、メモリ市場の在庫調整も徐々に進むとみられます。また、ファーウェイ向けの販売減少は、同社と競合する他社からの需要増加によって、ある程度補われると考えられます。さらに、世界経済は、欧米の金融引き締め姿勢からの転換や、中国の景気刺激策の強化などから、2020年に回復が予想されています。こうしたことなどを踏まえると、半導体市場は、短期的には厳しい状況が続くとみられるものの、中長期的には緩やかに回復するとみられ、半導体株も持ち直すと期待されます。

※上記銘柄について、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。また、当社ファンドにおける保有・非保有および将来の銘柄の組入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。

【図表】[左図]半導体株の推移、[右図]半導体市場の推移グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。

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