Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2019年6月19日

Vol.1498 逆風の中でも成長が期待される
中国の太陽光発電産業

深刻化する環境汚染への対策や、戦略的新興産業の育成を目的に、近年中国政府は再生可能エネルギー(再エネ)分野への支援を積極的に展開してきました。そのため、中国ではクリーンエネルギー産業が急速な発展を遂げ、太陽光発電、風力発電、電気自動車などの分野で圧倒的な存在感を示しています。中でも太陽光発電産業の成長は目覚ましく、中国は導入量で世界の約45%、供給量で約60%のシェア(2018年時点)を誇っています。

一方、手厚い政策支援によって中国の太陽光パネルは設備過剰となり、また政府の負担金が増大したことから、昨年5月、政府は太陽光発電に対する引き締め策を打ち出しました。突然の政策転換を受け、太陽光パネルの国内需要が大きく縮小するとの懸念が拡がり、中国では価格の大幅な下落や小規模企業の倒産が相次ぎました。

しかし、こうした状況を受けて各企業は補助金に頼らない事業運営への転換を急いでいます。世界最大の再エネ市場を持つ中国は、コスト面だけではなく、技術面においても高い競争力を有しており、関連技術の特許出願数は16万件と圧倒的な数に上ります(2016年末時点)。足元の逆風に立ち向かうべく、各社は新技術の開発に注力しており、世界最高水準の変換効率を持つ太陽光パネルや、発電量を増やすための両面受光型モジュール、また、太陽光追尾式の架台や、AIによる架台制御システムの開発など、新たな技術が次々に発表されています。

加えて、国内市場の縮小は、海外市場の開拓を後押しする契機となり、昨年後半には中南米などを中心に太陽光発電関連製品の輸出が急増し、国内需要の落ち込みを補う結果となりました。脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進む中、太陽光発電が普及していない多くの新興国では、昨年の価格低下によって今後普及が本格化するとみられており、引き続き世界の太陽光発電需要は堅調な拡大を続けると見込まれています。

そうした中、中国政府は今年1月に、補助金を前提とした従来の奨励策とは一線を画する、グリッドパリティ(再エネの発電コストが化石燃料の発電コストと同程度になること)を前提とした再エネプロジェクトの推進へと舵を切る方針を打ち出しました。これは技術進歩による建設コストや製造コストの低下を背景に、一部のプロジェクトが既にグリッドパリティの実現条件を備えていることを示します。一般に、グリッドパリティの達成はコスト面でのデメリット解消を意味し、普及の加速につながることから、中国の国内需要が拡大するとの期待が高まっています。このように、国内外での市場拡大を背景に、コスト面および技術面で高い競争力を持つ中国企業の躍進が期待されます。

【図表】[左図]太陽光発電システムの年間導入量(国別)、[右図上]再エネ関連技術の特許出願数内訳(国・地域別)、[右図下]中国の太陽電池セルの輸出量推移グラフを拡大

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。