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2019年7月22日

Vol.1503 年金改革法案成立の可能性が高まったブラジル
~利下げや景気対策など、2の矢、3の矢にも要注目~

ブラジルでは、年金受給開始年齢の引き上げ(男性60歳→65歳、女性55歳→62歳)を柱とする年金改革法案が、7月第2週に下院本会議での1回目の採決で可決されました。同改革の実現には憲法改正を伴なうことから、上下両院それぞれで2回採決を行ない、5分の3以上の支持を得なければならないものの、最大の難関とされる下院での1回目の採決を賛成379、反対131という大差で終えたことを受け、早ければ9月にも同法案が成立する可能性が高まったと考えられます。

今回、可決された年金改革法案の向こう10年間での歳出抑制効果は9,143億レアルとされ、当初案の1兆レアル強(1レアル=28円換算で28兆円強)から抑制されたものの、7,000億~8,000億レアルとの市場予想やテメル前政権の案(当初原案:約8,000億レアル→修正案:約4,800億レアル)を大きく上回ります。同法案は、議会の夏の休会(7月18日~31日)後の8月6日に予定されている、下院本会議での2回目の採決でも可決される見通しで、その後、上院に送られ、憲法司法委員会での審議・採決を経て、本会議で2度、採決にかけられます。こうした過程で、歳出抑制規模がさらに抑えられる可能性はあるものの、覆される可能性は低いとみられます。なお、上院では、下院で承認された法案そのものに加え、下院で年金改革の対象から除外された、州・地方政府公務員を再度、対象とする別の法案も審議・採決される見通しです。下院で承認された法案は、上院でも可決されれば成立となります。一方、別法案の方は、上院で可決されれば、下院での審議・採決に回されることになります。

また、ブラジル中央銀行は、年金改革を含む経済改革に進展が見られれば、景気下支えに向けた利下げが可能になると示唆しており、市場では、2018年3月以来の利下げが早ければ今月31日の政策会合で決定されるとの見方もあります。さらに、政府も、景気下支えに向けた各種政策の導入にとどまらず、規制緩和や公営企業の民営化など、他の改革を推し進めていくとみられます。年金改革法案はまだ成立途上にあり、その成り行きを見守る必要があるほか、財政再建や景気回復は一朝一夕で実現するわけではありません。しかし、同国の政治が機能を取り戻しつつあるとの評価が拡がり、且つ、必要な政策が打ち出され、効果が期待できるようになれば、市場での信頼感や関心が高まり、ブラジルへの投資資金の流入拡大につながると期待されます。

【図表】[左図]ブラジルの通貨レアルと株価の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移グラフを拡大

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