Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2019年7月26日

Vol.1506 予想以上の利下げでも、底堅さを示したトルコ・リラ
~欧米の金融政策や改善傾向のトルコ経済の行方に要注目~

トルコ中央銀行は7月25日、金融政策委員会で利下げを決定し、主要政策金利である1週間物レポ金利を24.0%から19.75%へ引き下げました。同金利の引き下げは2015年2月以来で、引き下げ幅は4.25ポイントと、市場予想の2.5ポイントを大きく上回りました。ただし、トルコ・リラは一時、対米ドルで1%前後下落したものの、その後は利下げ発表前の水準へと持ち直しました。

予想以上の大幅利下げにもかかわらず、トルコ・リラの下げが一時的なものにとどまった主な背景として、たとえ今回の利下げ幅が限定的となっても、エルドアン大統領らによる執拗な要求にトルコ中央銀行のウイサル新総裁が押し切られ、いずれ政策金利が大幅に引き下げられかねないとの見方がすでに拡がっていたことが考えられます。トルコでは、クーデター未遂事件があった2016年を除き、2014年から今年まで毎年、大きな選挙がありました。この間、景気浮揚を最優先したエルドアン大統領や同氏率いる与党AKP(公正発展党)は、中央銀行が物価上昇や通貨下落の抑制を重視し、利上げなど、金融引き締め政策を続けると、繰り返し痛烈な批判を行なってきました。それだけにとどまらず、今月6日にはついに、中央銀行総裁が更迭され、当時副総裁だったウイサル氏を後任に充てる人事が発表されました。これを受けてトルコ・リラが下落圧力を受けた際に、中央銀行の独立性喪失や後任総裁が利下げを強要される可能性などの織り込みが進んだものとみられます。

また、物価の低迷や世界景気の先行き不透明感などを背景に、米FRB(連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)などによる金融緩和が見込まれる状況下、先進国と比べて金利水準の高い新興国の通貨などに投資資金が流入しやすくなっていること、加えて、トルコの場合、インフレ率の鈍化や経常赤字の縮小といったファンダメンタルズの改善がみられていることなどもあり、トルコ・リラが支えられたと考えられます。こうした状況が続けば、トルコである程度の追加利下げが行なわれても、トルコ・リラは底堅い動きを続けるとみられます。ただし、FRBやECBによる金融緩和が市場の期待ほど進まないような場合や、トルコのファンダメンタルズの改善が一巡するような場合、また、米中摩擦が悪化に向かい、投資家がリスク回避の動きを強める場合などには、トルコ・リラに売り圧力が及ぶことも想定されるだけに、今後の動向を注意深く見守る必要があります。

【図表】[左図]トルコ・リラと物価の推移、[右図]トルコの主要金利の推移グラフを拡大

信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。