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2019年8月6日

Vol.1509 対中制裁関税第4弾に手をかけた米トランプ政権
~サービス業の景況感悪化が米政権に妥協を迫ることも~

トランプ米大統領は8月1日、対中制裁関税の第4弾を税率10%で9月1日に発動すると表明しただけでなく、いずれ税率を25%超に引き上げる可能性を示唆しました。これに対し、中国側も対抗措置をとる姿勢を示したほか、対米ドルで人民元安が進むと、中国当局が米中摩擦の長期化に備え、通貨安を容認したとの見方が拡がったことなどもあり、金融市場では週明け以降も世界的に動揺が続いています。ちなみに、7月31日から5日までに、日経平均株価は3.7%安、ニューヨーク・ダウは4.3%安となりました。

米中両国は、5月初めに物別れに終わった閣僚級協議を7月30~31日に再開し、次回会合を9月初めに開くとの予定を示したばかりでした。このタイミングでのトランプ大統領の唐突な発表には、来秋の米大統領選挙が近づくにつれ、中国による時間稼ぎを回避し、対中政策面での成果を少しでも早く示したいとの意向が強く働いているとみられます。ただし、選挙のことを考えると、トランプ大統領がこれまでのように強気一点張りというわけにはいかない変化が、米国内で顕著になりつつあります。昨日、発表された米国の7月の非製造業(サービス業)景況指数は、トランプ氏が大統領に当選する前の2016年8月以来の水準にまで低下しました。同国では、サービス業のシェアが名目GDPで約65%、非農業部門雇用者数で約70%に及んでいるほか、個人消費の対象についても、財(モノ)は3割強に過ぎず、サービスが7割弱を占めている状況にあり、サービス業こそが、現在、景気拡大局面が過去最長を更新中の米経済の主なけん引役であるとみられています。それだけに、景況感の悪化が製造業にとどまらず、非製造業でも大きく進み始め、景気の先行きに暗い影を落とし始めたことが、今後、対中交渉におけるトランプ大統領の戦略に影響を及ぼす可能性も考えられます。

報復の応酬となっている足元においては、米中両国が急転直下、妥協するとは見込みがたいものの、当面は、対中制裁関税第4弾の発動が予定されている9月1日より前に、米中両国が交渉の機会を持つかどうかや、9月初めとされていた閣僚級協議が予定通り開かれるか否かなどが注目されます。また、8月は米FRB(連邦準備制度理事会)の政策会合の予定はないものの、米中摩擦の先行き不透明感が強まったことを受け、FRB高官から、追加利下げに前向きな見解が発せられるかどうかにも、市場の関心が集まるとみられます。

【図表】[左図]米国の株価および国債利回りの推移、[右図]ISM(供給管理協会)景況指数の推移グラフを拡大

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