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2019年8月7日

Vol.1511 1米ドル=7人民元割れとなった人民元相場

トランプ米大統領は、中国からの輸入品3,000億米ドル相当に10%の関税を新たに課す対中制裁関税第4弾を9月1日に発動すると、8月1日に突如発表しました。これを受け、中国政府も対抗措置を取る姿勢を示したことから、市場では、米中貿易摩擦が一段と激化するとの警戒感が拡がりました。また、5日に、為替市場で人民元が2008年5月以来11年3ヵ月ぶりに、節目となる1米ドル=7人民元を割り込んだこと、さらに米国が中国を「為替操作国」に指定したことを受け投資家心理が悪化し、中国本土市場では、上海総合指数、深セン総合指数ともに8月6日までに、5営業日続落となりました。

人民元が対米ドルで7人民元を割り込んだことは、市場で大きく材料視されています。それは、これまで7人民元を超えて下落することは、先行き不安の増幅を通じて資本流出を加速させる可能性があることから、中国人民銀行(中央銀行)が容認しないと市場でみられていたためです。人民元は、中国人民銀行が、米ドル・ユーロ・円などの複数通貨で構成する「通貨バスケット」に対する人民元の変動幅を踏まえて、営業日ごとに算出・公表する「基準値」(対米ドル)に対して、上下2%の幅での変動が認められています。8月1日以降、この基準値は前日より人民元安・米ドル高に設定される動きが続いたほか、5日には人民元相場(対米ドル)が7人民元割れとなりました。ただし、5日に中国人民銀行が「為替相場を競争の道具に利用することはない」との声明を発表したこと、そして、6日の人民元の下げ幅が限定的であったことなどから、足元ではやや懸念が和らぐ状況となりました。

報復の応酬となっている現状においては、米中両国が急転直下、妥協するとは見込みがたく、為替市場ではしばらく人民元安に振れやすい展開となることが想定されます。そして、7人民元という防波堤を突破した今、人民元安がとこで止まるのかが、当面、市場の大きな関心事になると考えられます。ただし、中国側としては、資本流出を招きかねない人民元の急落は望んでいないという前提に変化はなく、現状の人民元の水準についても、第4弾の制裁関税に対抗するために、あくまでも当局がコントロール可能な範囲で、これまで抑制していた水準を超えての人民元安を容認したにすぎないとの理解が中国市場でも大勢であることなどから、一方的な人民元安が続くという状況は想定しづらいと考えられます。

【図表】人民元(対米ドル)の推移グラフを拡大

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