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2019年8月8日

Vol.1513 高利回り資産として注目される新興国通貨

トランプ米大統領が、対中制裁関税第4弾の9月からの実施を8月初めに突如表明したことを受け、世界景気の下振れ懸念とともに、新興国通貨は変動性が高まっています。一方で、米国の10年半ぶりの利下げ実施により、新興国の相対的な利回りの高さも際立っており、利回りを求める投資家からの注目が期待されます。

新興国通貨は2018年後半以降、持ち直しの動きがみられていました。これは、米国の金融緩和姿勢や世界的な金利低下を受けて、利回り面での魅力が高まったことや、懸念材料であった米ドル建て債務負担の増加、通貨下落に伴なうインフレ圧力などへの過度な懸念が後退したことが背景にあります。こうした外部環境の好転に加え、各新興国への信頼度が改善している点も材料となっています。多くの新興国では、過去の通貨危機の教訓から外貨準備を大きく積み上げてきたほか、財政健全化や経常収支改善などの取り組みを進めてきました。なかでも、インドやインドネシア、ブラジルなどが、2013年以降、金融引き締めや輸入抑制策の導入などによって経常収支改善に努めたことが奏功し、厳しい環境下でこれらの通貨が底堅く推移したことは、代表的な例といえます。

一方、経常赤字や財政悪化などが懸念されたアルゼンチンやトルコでは、これまで通貨下落が顕著となりましたが、トルコでは、2018年10月に25%台にあったインフレ率が足元で16%台まで大きく改善し、経常赤字は縮小傾向にあります。アルゼンチンでも、IMF(国際通貨基金)による支援が決まり、財政健全化に向けた取り組みが進められることで、2020年にかけて経常赤字の改善が見込まれています。加えて、これらの国は利回り水準が特に高いこともあり、ファンダメンタルズの改善がみられれば、再び投資資金が流入に転じることも期待されます。

当面の金融市場は、米中動向のほか、米追加利下げや各国の金融緩和姿勢に左右される展開が見込まれるなか、新興国は、外部環境や個々の国の状況によって為替変動が大きくなりやすいことから、留意が必要です。ただし、先進国を上回る成長見通しや利回り水準などを踏まえると、中長期的に期待の持てる投資対象であり、資産分散の一つとしても有望と考えられます。

【図表】[左図]【米国金利と主な新興国高金利通貨(対円)の推移】、[右図上]短期金利水準、[右図下]経常収支(対GDP比)グラフを拡大

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