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2019年8月14日

Vol.1514 アルゼンチンの金融市場が急落
~ポピュリズム政権台頭のリスクを嫌気~

8月11日、アルゼンチンでは大統領選挙の予備選が行なわれ、野党左派陣営のアルベルト・フェルナンデス元首相が、現職のマクリ大統領に予想外の大差をつけて首位となりました。これにより、同国の経済政策がポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策に傾くとの懸念を背景に、投資家の失望売りが殺到し、12日、アルゼンチンの通貨ペソが対米ドルで一時過去最安値を更新したほか、株式および債券市場も急落しました。

アルゼンチンは2014年に実質的な債務不履行状態となったものの、2015年12月に誕生したマクリ政権が、金融・通貨・貿易面での規制緩和や構造改革を進め、国際金融市場への復帰を果たしたことなどから、マクリ大統領は市場で高い評価を得ていました。一方で、2018年に始まった通貨ペソの対米ドルでの下落や通貨防衛のための急激な利上げ、IMF(国際通貨基金)の支援に伴なう緊縮財政などを背景に、2018年4-6月期以降、マイナス成長が継続していることに加え、物価上昇率が前年比55%を超える水準にまで上昇したことなどから、同大統領(同政権)の支持率は低迷していました。野党左派陣営は、マクリ大統領が掲げる構造改革路線が不況の原因であると批判し、年金増額などのポピュリズム的政策を掲げて、国民の支持獲得に成功しました。

10月27日に予定されている大統領選挙本選では、得票率45%以上を得るか、得票率40%以上で2位との差が10ポイント以上となれば勝利、この条件を満たさない場合は、11月の決選投票で大統領が決まります。今回の予備選で首位となったフェルナンデス氏は、48%の得票率を得ており、2位のマクリ大統領に10ポイント以上の差をつけていることから、フェルナンデス氏が大統領に当選する可能性が高いとみられます。

フェルナンデス氏が勝利した場合、現政権の緊縮財政路線の転換から同国のデフォルト・リスクの上昇が懸念され、投資家のリスク回避姿勢の強まりから、他の新興国市場への短期的な影響には注視が必要です。しかし、緊縮財政の転換にはIMFとの再交渉が必要なことに加え、フェルナンデス氏はデフォルトを望まないとの姿勢を示しており、急激な路線変更は難しいとみられます。また、主要先進国が金融緩和姿勢に転じる中で、新興国の相対的に魅力的な利回りや成長率の高さに加え、今回の下落による新興国資産の割安感の高まりなどから、ファンダメンタルズの良好な新興国については、影響が長引く可能性は低いと考えられます。

【図表】[左図]アルゼンチンの通貨・金利の推移、[右図]物価上昇率(上)と政府債務(下)の推移 グラフを拡大

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