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2019年8月21日

Vol.1516 世界景気の減速懸念が重石となる
原油価格とエネルギー株

5月以降、原油価格は変動率の高い展開が続いています。WTI原油先物価格は、年初以降、投資家心理の改善などを背景に急反発し、4月下旬には、1バレル=60米ドル台後半にまで回復しました。しかし、その後は、主要産油国による減産延長への期待や地政学リスクの高まりが追い風となった一方で、米中摩擦への懸念が下押し圧力となり、不安定な値動きが続きました。こうしたなか、8月7日には1バレル=51.09米ドルと、約半年ぶりの安値水準を付けました。株式市場では、投資家のリスク回避的な動きが拡がるなか、エネルギー株が特に売られる展開となりました。

足元では、8月初にトランプ米大統領が対中制裁関税の「第4弾」の発動を表明し、米中摩擦への警戒感が強まりました。加えて、ドイツのGDPや中国の鉱工業生産など、足元で発表された欧州や中国の主要経済指標が相次いで市場予想を下回ったことなども背景に、世界景気の減速懸念が強まり、原油需要が減少するとの見方が拡がりました。また、供給面についても、EIA(米エネルギー情報局)による週間統計で、米原油在庫が足元で増加傾向にあり、原油需給の悪化懸念が原油価格の重石となりました。

なお、8月中旬以降、原油価格は持ち直しの動きをみせています。これは、中国政府が個人消費を活性化させるための政策を検討しているほか、ドイツ政府が景気刺激のための財政出動の可能性を示唆するなど、景気下支えに向けた各国政府の動きがみられたことが背景にあります。また、米政権も自国景気への影響に配慮し、対中制裁関税第4弾の一部先送りを表明しました。さらに、足元の原油価格の下落を受けて、サウジアラビアが主要産油国に対し2020年3月までの原油の協調減産の強化を呼び掛けていると報じられるなど、減産幅拡大への期待が拡がったことも下支え要因となっています。

引き続き、米中摩擦や世界景気の減速懸念を受け、原油市況や株式市場が一段と下振れする可能性には注意が必要ではあるものの、こうした懸念が和らぎ、投資家心理が改善すれば、各国政府の景気対策や主要産油国による減産などの後押しを受け、原油価格やエネルギー株も落ち着きを取り戻すと期待されます。

【図表】[左図]WTI原油先物価格の推移、[右図]エネルギー株と世界株式の推移 グラフを拡大

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