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2019年9月3日

Vol.1520 着々と進展する「一帯一路」構想
~貿易促進を通じ、世界経済の成長押し上げも

中国が推し進める、中国から欧州までを陸上および海上で結ぶ広域経済圏構想である「一帯一路」構想は、昨年3月頃から米中通商問題が燻るなかでも、着々と進展しており、今年4月には、2回目となる「一帯一路国際協力サミットフォーラム」が開催されました。同サミットの参加人数は第1回を上回り、150ヵ国の代表(うち37ヵ国は首脳)および90以上の国際組織の代表を含む約5,000人が参加したほか、期間中に多くのプロジェクトが調印され、その合計額は640億米ドル*に達し、盛況のうちに幕を閉じました。
*約6.8兆円:1米ドル=106.28円で円換算(2019年8月末時点)

従来はアジアや中東が中心だった「一帯一路」構想の参加国は、今年に入り欧州へも拡がりつつあります。3月には、「一帯一路」構想ドイツ連邦協会が成立し、「一帯一路」構想を活用して、ドイツの中小企業が第3国市場へ進出する方針を示したほか、G7(先進7ヵ国)ではじめて、イタリア政府が「一帯一路」に関する覚書を交わしました。このほかにも、上記サミットには、オーストリアやポルトガルが初めて首脳級を送ったほか、スイス政府も、「一帯一路」に関する覚書を締結する方針を明らかにしており、今後も欧州諸国の参加が続けば、関連プロジェクトの質と国際的な影響力の向上が期待されます。

また、世界経済に与える影響も注目されており、世界銀行によると、「一帯一路」構想は、沿線国を中心に輸送時間、貿易コストを圧縮し、世界の貿易における輸送時間を平均1.2%~2.5%、貿易に係るコストを1.1%~2.2%削減するとしており、貿易促進効果などを通じて、世界全体の経済成長を押し上げるとしています。さらに、「一帯一路」関連投資によって世界の約3,400万人が中度貧困*から脱却することが可能との見方を示しています。
*1日の生活費が3.2米ドル未満の層

一方、参加国の債務拡大やプロジェクトの資金調達方法などに懸念があるとして、米国が、第2回サミットへの高官の派遣を取りやめるなど、「一帯一路」構想に懐疑的な見方もあります。しかし、これらの声を受け、中国・習近平主席は国際標準のルールを尊重し、債務の持続可能性を重視する姿勢を示しています。今後、種々の懸念に対応していき、関連諸国が納得する形で、「一帯一路」構想がさらに進展することが期待されます。

【図表】[左図]各欧州で拡がる「一帯一路」構想に対する前向きな動き、[右図]「一帯一路」関連プロジェクトの恩恵は沿線国のみならず世界にも波及 グラフを拡大

※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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