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2019年9月24日

Vol.1523 地政学リスクに大きく揺れた原油価格
~今後は米中協議の行方や景気下支え策の効果に要注目~

サウジアラビアの国営石油会社の石油施設が9月14日に無人機の攻撃を受け、同国の原油生産量が概ね半減したことから、週明けの16日に原油価格が急騰し、WTI先物では一時1バレル=63米ドル台となりました。しかし、戦略備蓄の放出に前向きな姿勢を示す国が相次いだほか、当該施設の原油生産量が月内にも攻撃前の水準に回復するとの見通しが17日に示されたこともあり、原油価格は落ち着きを取り戻し、WTI先物の20日の引け値は58米ドル台と、9月9日の週の高値と概ね同水準となりました。

今回の攻撃について、イエメンの親イラン武装組織フーシが犯行声明を出したものの、米国はイランが関与したとの見解を当初から示しているほか、サウジ国防省も18日、イランが関与した証拠として、無人機などの破片を公開しました。イスラム教スンニ派のサウジと同教シーア派のイランは、中東で主導権を争っており、直接の戦争こそ回避しているものの、イエメンやシリアといった周辺国での紛争にともに介入し、「代理戦争」を繰り広げています。なお、欧米など6ヵ国とイランは2015年、イランが核開発を制限する見返りに、欧米が同国に対する経済制裁を解除するという、「核合意」を結びました。しかし、米国がトランプ大統領の下で2018年5月に同合意から離脱し、経済制裁を再開したことなどにより、イランは厳しい状況に陥り、穏健派のロウハニ大統領が苦しい立場に追い込まれた一方、反米保守強硬派の勢いが強まっているという状況にあります。

原油価格は、OPEC(石油輸出国機構)加盟・非加盟国による協調減産が一定の下支え要因となる一方で、世界景気の見通しが厳しくなるに連れ、下押し圧力を受け易くなっており、今後の方向性を大きく左右する要因として、米中協議の行方や、拡がりを見せつつある金融緩和などの景気下支え策の効果などが注目されます。一方、中東の地政学リスクは、従来から認知されているとおり、原油価格の急騰・急落につながる要因であり、今後も一方的な攻撃が起きたり、代理戦争のような状況が続く可能性は高いものの、犠牲や被害が大きくなりかねない直接的な軍事衝突に至らなければ、原油価格への影響は一時的と考えられます。

【図表】原油価格と株価、景気先行指数の推移 グラフを拡大

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