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2019年10月9日

Vol.1528 パフォーマンスの堅調さが目立つ深センA株、
中長期的な視点での資金流入継続に期待

世界の株式市場は、米中協議を巡る楽観と悲観が繰り返される中、変動率の高い展開が続いています。ただし、そうした中でも、中国本土の深センA株はパフォーマンスの堅調さが目立つ状況となっています。

ここ3ヵ月を振り返ると、米中の主要株価指数との比較において、深センA株のうち、SMEチャイネクスト100指数の7月および8月のパフォーマンスが特に良好でした(左グラフ参照)。同指数は、IT関連銘柄が多く上場する深セン証券取引所のうち、「中小企業板(SME)」および「創業板(チャイネクスト)」に上場する銘柄の中で、規模が大きく、流動性のある100銘柄で構成されています。7月は、上海証券取引所のハイテク新興企業向け新市場「科創板」の開設を控え、既存株に関しては換金売りが拡がる場面がみられた一方、その後、「科創板」での取引が開始され上場25銘柄の株価が上昇すると、SMEやチャイネクストの銘柄も連れ高となりました。8月は、深センを2035年までに世界で最も競争力があり、グローバルな影響力を有するイノベーションシティに発展させるとの新たな政策を18日に中国政府が発表しました。これにより、深センにおける金融機能の強化やインフラ整備の加速などへの期待が拡がったことから、深セン株式市場では関連銘柄が買われる展開となりました。もともと中国では今年2月に、広東省(深センを含む)、香港・マカオ地区全体に世界クラスの都市集合体を構築することを目指す「グレーターベイエリア(GBA)発展計画」の綱要が発表されていました。8月の政策発表により、深センでは、5G(第5世代移動通信システム)、AI(人工知能)、バイオ医薬のほか、フィンテック分野でのイノベーションなどが、国を挙げて推進されることになります。そのため、GBA計画の中心地として発展することへの期待とも相まって、深センへの資金流入が拡大したと考えられます。特に8月は、トランプ米大統領が突如、対中制裁関税第4弾の発動を表明したことなどから、世界的に投資家のリスク回避の動きが強まったほか、中国に関しては、人民元安や景気指標の悪化、香港の混乱など不安なニュースが相次いだだけに、深センA株の堅調さは目立つものとなりました。

9月は、米中双方に歩み寄りの姿勢が見られたことを受け、世界的に株式市場は上昇したものの、10月は、米中閣僚級協議の動向を巡り、再び投資家が一喜一憂する展開になることが想定されます。このような中、投資家のリスク回避の動きが強まるようであれば、中国本土市場においても、その影響を受ける可能性があります。ただし、ここから年末にかけては、年に1度の党大会や来年の経済政策を決定する工作会議など、中国にとって重要な意思決定のイベントが並んでおり、市場の注目は貿易摩擦ばかりとは限りません。また、中国では、深センのイノベーションシティ構想だけではなく、上海においても施策が講じられており、中長期的な成長期待などから、今後も中国本土市場は関連銘柄・セクターを中心に、株価が下支えされると期待されます。

【図表】[左図]主要株価指数の推移と過去3ヵ月の月次騰落率*、[右図]中国本土株式市場における海外投資家の資金フローグラフを拡大

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