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2019年10月11日

Vol.1529 米中ハイテク摩擦の圧力とその影響
~エンティティー・リストに8社が追加~

今月9日、米商務省は、新疆ウイグル自治区の少数民族に対する人権侵害への関与を理由として、中国の28団体・企業を事実上の禁輸措置の対象とする「エンティティー・リスト(EL)」に掲載しました。今回対象となったのは、新疆ウイグル自治区政府公安局など20機関のほか、監視カメラ世界大手のハイクビジョンやダーファ、音声認識のアイフライテック、AI(人工知能)のセンスタイムなど、中国を代表するハイテク企業8社です。

ELとは、米商務省が輸出管理法に基づき、国家安全保障や外交政策上の懸念があると指定した企業や団体を列挙したリストです。米国企業がELに掲載された企業に物品やソフトウェア、技術などを輸出する場合には商務省の許可が必要となりますが、申請は原則として却下されます。また、ELに基づく規制は、米国製の部品や技術が一定割合以上含まれる場合、国外企業の製品にも適用されます。違反した場合には米国企業との取引停止などの罰則や罰金が科されます。

こうした制裁の影響は、米国との結びつきが強い企業ほど大きくなります。イランや北朝鮮への違法輸出などを理由に、18年4月に米企業との取引を7年間禁じられた通信機器大手、ZTEは、半導体など基幹部品の多くが米国製であったため、主力製品の生産停止に追い込まれました。また18年10月にELに掲載された半導体メーカー、JHICCは米国製の半導体製造装置が輸入できず、量産計画が中止されました。しかし、こうした事例が増えるにつれ、中国企業側でも対策を講じています。今年5月にELに追加された通信機器大手、ファーウェイは、米国以外からの部品調達の拡大や半導体の自社開発強化によって米輸出規制の影響を抑えるべく努める一方、世界最多の特許を持つ5G(第5世代移動通信システム)関連技術を武器に、世界で存在感を高めています。

今回、輸出規制の対象となったハイクビジョンやダーファなどの企業は、米国からの部品調達は限定的とされるものの、今後の影響は不透明です。また、米大統領選を来年に控え、こうした米国の圧力が度々強まる可能性もあり、引き続き注視が必要です。しかしながら、政府の支援のもと、中国企業は基幹部品の在庫確保や調達先の見直し、更には内製化への取り組み強化などを積極的に進めており、その耐性は徐々に高まりつつあります。また、間もなく始まる5Gサービスの商用化を機に、今後中国では莫大なテクノロジー関連需要が創出されるとみられ、関連するハイテク企業への好影響も期待されます。こうした中、米中ハイテク摩擦という逆境をバネに、中国企業が新たな成長を目指すことが期待されます。

【図表】過去1年にエンティティー・リストに掲載された主な中国関連企業

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