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2019年10月28日

Vol.1534 景気回復や改革の継続に期待が高まるブラジル
~一方で、少数与党の内紛の行方に要注目~

ブラジルでは、年金受給開始年齢の引き上げ(男性60歳→65歳、女性55歳→62歳)を柱とする年金改革法案が、8月に下院を通過したのに続き、10月22日には上院も通過しました。あとは、現在、アジア歴訪中のボルソナロ大統領が帰国後に署名すれば、ついに年金改革法が成立します。

同法案の向こう10年間での歳出抑制効果は8,000億レアル(1レアル=27円換算で21.6兆円)とされ、当初案の1.2兆レアルから抑制されたものの、テメル前政権の案(当初原案:約8,000億レアル→修正案:約4,800億レアル)を大きく上回り、7,000億~8,000億レアルとの市場予想の上限となりました。また、これとは別に、今回の年金改革法案の対象から除外された州・地方政府公務員を対象とする別の法案が今後、議会で審議・採決される見通しで、両院で可決されれば、追加的な歳出抑制につながることになります。

なお、今回の年金改革法案の議会通過は市場にほぼ織り込み済みだったとみられるものの、足元でブラジル株式が史上最高値を更新したほか、ブラジル・レアルも堅調な動きとなりました。こうした背景には、9月の消費者物価指数が前年同月比+2.89%と、ブラジル中央銀行の物価目標レンジの下限(2.75%)に近づくなど、物価の安定化が顕著となっていることに加え、年金改革の進展がブラジル中央銀行に追加利下げを促すことになるとの見方が強まり、景気回復期待につながったことが考えられます。また、年金改革の進展により、ブラジルの政治が機能を取り戻しつつあることが示されたことに伴ない、税制の簡素化や規制緩和、公営企業の民営化など、他の改革への期待が高まっていることも考えられます。

ただし、ボルソナロ大統領が所属する少数与党、右派PSL(社会自由党)の創設者で党首のビヴァール氏による政治資金の不正使用疑惑が明るみに出たのを契機に、同党指導部を中心とする古参議員と、2018年に入党したボルソナロ氏を支持する議員らとの間で内紛が起きていることに注意が必要です。同党が分裂すれば、政権・議会運営に悪影響が及ぶ可能性が懸念されます。一方、年金改革法案の可決を支えた中道勢力とボルソナロ政権との関係が強まる方向に展開すれば、更なる改革にとって追い風になることも考えられます。

【図表】[左図]ブラジルの通貨レアルと株価の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移グラフを拡大

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