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2019年11月1日

Vol.1538 4年ぶりに左派政権が復活するアルゼンチン
~政権内の力関係や具体的な政策に要注目~

アルゼンチンでは、10月27日の大統領選挙において、左派の野党候補、アルベルト・フェルナンデス元首相が中道右派のマウリシオ・マクリ現大統領を破りました。28日からの政権移行期間を経て、12月10日に新大統領が就任する予定となっており、4年ぶりに左派政権が復活することとなります。

2015年12月に誕生したマクリ政権は、市場重視型の政策をとり、規制緩和や構造改革を進め、アルゼンチンの国際金融市場への復帰を実現するなど、市場で高い評価を得ました。しかし、経済の立て直しにてこずる間に米国の利上げの影響を受けたことなどから、2018年には通貨急落に見舞われ、IMF(国際通貨基金)からの金融支援を仰ぐこととなりました。これに対し、フェルナンデス元首相は、拡張的な財政政策や価格統制を通じたインフレ抑制などの大衆迎合的な政策への回帰のほか、為替・資本取引の規制強化などを進めるとみられており、8月の大統領予備選挙で同氏の得票率がマクリ氏に大差をつけてトップとなると、アルゼンチンのデフォルト(債務不履行)リスクが懸念されるようになり、通貨や債券、株式が大きく売り込まれました。今回の本選では、同氏の勝利は織り込み済みで、市場に動揺は見られませんでした。ただし、アルゼンチン中央銀行は28日、政権移行期間を通じて外貨準備高を維持すべく、国内の資本規制を強化し、個人によるアルゼンチン・ペソの米ドルへの両替の上限を、従来の月1万米ドルから月100米ドル(現金の場合)に大幅に引き下げました。

今後は、フェルナンデス新政権の具体的な政策が注目されますが、それに絡んで、政権内の力関係に注意が必要です。なぜなら、フェルナンデス氏が穏健派とみられているのに対し、副大統領に就くクリスティナ・フェルナンデス前大統領は急進的な政策をとった過去があるだけに、政権内で同氏の影響力が高まれば、政策にも影響するとみられます。一方、議会選挙などで現連立与党勢が予想を上回る票を獲得し、善戦したことは、新政権に対しての一定の抑止力になると考えられます。なお、政策面で特に注目される対外債務の再編については、金融支援の条件として緊縮財政などを求めるIMFに対しては再交渉を、民間債権者に対しては債務の再編を提案するとされています。これらの交渉は長期化が必至とみられ、不透明要因としてくすぶり続ける可能性があります。

【図表】[左図]アルゼンチンの通貨、債券、株式の推移、[右図]アルゼンチンの主要指標の推移 グラフを拡大

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