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2019年11月12日

Vol.1543 持続的な成長をめざす日銀の金融政策
~インフレ率2%達成への課題~

日本銀行(日銀)は、日本銀行法に基づき、あらゆる経済活動や国民経済の基盤となる物価の安定を図ることを目指して、通貨および金融の調節といった金融政策を行なっています。その金融政策では、国債の売買を中心とした公開市場操作などによる長短金利の誘導や、資産の買入れなどを行なっています。

日銀は2013年1月の政策決定会合で、それまで「目途」としていた、中長期的な消費者物価の上昇率を「目標」としたうえで、これを前年比+2%に据え、デフレからの早期脱却を目指すことを明確に示しました。また、この「目標」達成に向け、マイナス金利に至るまで国債買い入れを進めたほか、ETFやREITの買い入れなど大規模金融緩和を実施しました。その結果、為替相場は円安方向に振れ、また、株式市場は活況を呈しました。

日銀が消費者物価の上昇を目指した理由は、デフレ脱却や経済成長を促すことにありましたが、為替相場を円安方向に誘導する効果もあったように思われます。一般に、為替相場は対象両国の金利差に大きく影響を受ける傾向(下左グラフ参照)にあります。ここで用いる金利差は、両国の単純な短期金利の差ではなく、それぞれの国の実質金利(短期金利-インフレ率(消費者物価上昇率))の差と考えられることから、自国のインフレ率を引き上げることは、経済成長を促すだけでなく、自国通貨安(円安)につながるものであり、輸出産業が経済を支える日本経済においては効果のある手段と考えられます。

消費者物価の推移を見る上では、総合指数に加え、短期的に価格が上下しやすい生鮮食品やエネルギーを除外した指数も重視されます。実際に両方の消費者物価指数の推移(下右グラフ参照)を見ると、日銀が大規模緩和を始めた2013年1月以降、当初は順調に上昇しましたが、消費税率引き上げ(5%→8%)に伴なう影響を除くと、「目標」とする2%には未達となっています。日銀は「目標」達成に向け、2013年1月以降、多様な金融緩和策を打ち出していますが、インフレ率を引き上げるためには、更なる金融緩和に加え、個人消費や設備投資を促す一層の施策も必要であり、政府と日銀の連携の強化が望まれます。

【図表】[左図]日米金利差と円相場(対米ドルレート)、[右図]消費者物価指数(日本、前年比)の推移グラフを拡大

(信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成)

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