Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2019年11月29日

Vol.1551 拡大が期待される産業用ロボット市場
~足元の中国・日本の動きに注目~

世界の産業用ロボット市場は、米中の貿易摩擦を背景に、最大規模を誇る中国で弱含んでいることなどから、2019年は前年比ほぼ横ばいとみられるものの、中長期的には拡大が続くと予測されています。

中国政府は、2025年までに先進工業国の仲間入りをめざす「中国製造2025」を打ち出しており、政府はロボット業界への支援を続けています。ただし、長年の技術蓄積がものをいう産業用ロボットの分野で、中国は日欧の先進国に後れをとっていることなどから、技術の蓄積を急ぐために海外企業の買収を進めており、中国企業が過去4年間で買収・出資をした海外企業は13社(計画中も含む)に達しています。

また、労働者1万人当たりの産業用ロボットの稼働台数(2018年)をみると、韓国、ドイツ、日本などでは300台を超えている一方、中国では140台程度となっています。中国が世界のトップグループをめざすためには、産業用ロボットを大幅に増強する必要があるとみられますが、2015年と比べると、韓国+46%、ドイツ+12%、日本+7%に対し、中国+186%と、中国で産業用ロボットが急速に普及していることが分かります。

日本に目を向けると、国内企業による足元の産業用ロボットの出荷額について、国内向け(国内出荷額)は、通信や自動車部品向けの好調を背景に、堅調に推移しています。輸出は、前年同期比で減少が続いているものの、前期比では中国向けを中心に持ち直しの兆しがみられます。また、5G関連の設備投資の動きが一部でみられることで、半導体関連をけん引役に、今後の事業環境が好転すると予想するFA(ファクトリーオートメーション)関連企業の経営者も増えており、市場の底入れ期待が浮上しています。

米中間の貿易摩擦が激化し、中国の景況感が悪化する場合、産業用ロボット市場の回復も鈍くなる可能性があります。しかし、中国での賃金上昇や、先進国での労働力不足は続いており、こうしたことは、製造業の自動化ニーズを支えると考えられます。また今後、製造業の生産性や、生産ラインの柔軟性の向上をめざし、AI(人工知能)などを活用した、労働者と協働する先端的なロボットの導入が進むことなどにより、さらなる市場拡大につながると期待されます。

【図表】[左図]産業用ロボットの地域別出荷台数、[右図]日本企業の産業用ロボットの国内出荷・輸出額グラフを拡大

※上記は過去のものおよび予測であり、将来を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。