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2020年1月7日

Vol.1559 中東の地政学リスクの高まりを背景に、
動揺した世界の金融市場

中東の地政学リスクの高まりを背景に、年明け以降、世界の金融市場が動揺しました。原油価格が上昇したほか、投資家のリスク回避的な行動から、安全資産とされる米国債が買われて米長期金利が低下し、為替市場では円高が進みました。ただし、先進国株式(指数)の下落は限定的で、影響は一部にとどまっています。

米国防総省は3日、イラン革命防衛隊の精鋭組織のソレイマニ司令官を空爆で殺害したと発表しました。イランで英雄視されている同司令官の殺害を受け、イランの最高指導者ハメネイ師は、米国への報復攻撃を警告し、同師の軍事顧問を務めるデフガン前国防軍需相は、報復の方法について、「軍事施設に対する軍事的な対応になる」と述べました。これに対して、トランプ大統領は、イランが米国人や米国の施設などを攻撃した場合、「イラン関連の52ヵ所を標的にとても迅速かつ激しく攻撃する」、「米国は2兆米ドルを軍の装備に支出し、世界最大だ」と警告しました。

双方の緊張が高まっているものの、両国に多数の犠牲者が出るような本格的な戦争にいたる可能性は低いとの見方が出ています。なぜなら、両国にそれぞれ懸案事項があるためです。米国では今年、大統領選挙が控えており、明確な根拠のない開戦については国民の賛否が分かれ、トランプ大統領の再選のリスクになるとみられます。一方、イランでは、経済制裁下のインフレや景気低迷などにより、大規模なデモが発生するなど国民の不満が高まっており、開戦した場合、経済がさらに悪化し、政情不安定につながる可能性があります。

今後、中東情勢の緊迫化が続き、原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の航行の安全が脅かされたり、中東の原油生産量が減少する場合には、原油価格が一段と上昇し、世界景気に悪影響を与える可能性があります。また、米国の対イラン政策は、中国やロシアの非難を招くとともに、中東にくすぶる反米機運の拡大につながり、国際社会の分断を深めかねません。米中貿易協議の進展などから、昨年後半は概ね堅調が続いた世界の株式市場に暗雲が垂れ込むのか、今後の中東情勢が注目されます。

【図表】[左図]先進国株式と原油価格の推移、[右図]米長期金利と米ドル・円の推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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