Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2020年1月29日

Vol.1562 地政学リスクの顕在化などにより堅調に推移する金

昨年12月以降、金価格は堅調に推移しています。米中貿易協議の進展期待が高まったものの、協議がどこまで進むか見極めにくい状況であったことに加え、FRB(米連邦準備制度理事会)が低金利環境の継続を示唆したことなどから、米国金利が低下傾向となったことを受けて、米国の実質金利の低下が顕著となったことも背景になっているとみられます。また、2020年に入り、米国とイランの対立が激化したことも、追い風になりました。実物資産である金は、株式や債券と異なり、企業の倒産と無縁な資産であることなどから、市場心理が悪化する局面で買われやすい傾向があるため、「有事の金」とも言われています。

また、金需要については、現地通貨建てでの割高感の強まりなどを背景に、主要な金消費国である中国とインドで宝飾品需要の落ち込みが見られています。一方で、各国中央銀行など公的機関は、2018年以降、米中貿易摩擦の激化などに伴なう不確実性の高まりのほか、米ドル依存からの脱却と準備資産の保全を図る目的で、金の保有量を増加させています。特に、ロシアや中国、ポーランドなど新興国の中央銀行による活発な購入が目立っていることに加え、ケニアやアルバニアなど、新規に金の購入を開始する中央銀行もみられ、2019年の中央銀行などによる購入量は、9月末時点で約540トンに達しており、金相場を下支えしているとみられます。

米国での低金利環境の継続などを背景に、低水準の実質金利が続くとみられています。また、米中貿易協議については、「第1段階」の合意に達するなど、足元で進展がみられているものの、技術移転の強要禁止など実効性に課題を残した項目があるほか、安全保障上のリスクを背景としたハイテク分野での米中の覇権争いは続いており、先行きは不透明なままです。さらに、米国とイランの対立など地政学リスクの顕在化のほか、中国での新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受けて、金融市場の変動が大きくなる場面もみられることから、引き続きリスク分散を図る必要性は高いとみられます。そのため、安全資産としての金の需要は今後も底堅いとみられるほか、中央銀行の旺盛な需要などが、金相場を支えると見込まれます。

【図表】[左図]金価格と米国実質金利の推移、[右図]中央銀行などの金購入量の推移 グラフを拡大

(World Gold Councilなど信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。