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2020年2月14日

Vol.1569 「第1段階」合意の発効で
米中は一旦、休戦も、懸念は燻り続ける

米中協議は、2019年10月の「第1段階」の合意に続き、12月には詳細について妥結し、20年1月に合意文書への署名に至りました。そして、2月14日にはいよいよ同合意が発効します。こうした中、両国が一旦、休戦状態に入ったとの見方などから、米国を中心に世界の株式相場は総じて堅調に推移しました。

「第1段階」の合意により、制裁関税の応酬に歯止めがかかれば、米中にとどまらず、多くの国の企業景況感の改善などを通じて、世界景気の押し上げに寄与すると期待されます。ただし、同合意は部分合意に過ぎず、発効しても、両国が互いに課した制裁関税は一部が引き下げや見送りとなるだけで、完全に解除されるわけではありません。また、中国が同合意を守れない場合、米国が一方的に罰則を科せることになっているだけに、今後の中国側の対応が注目されます。こうした中、新型コロナウイルスの問題が長引き、中国の企業活動や個人消費などを下押しすることになれば、米国からの輸入に悪影響が及ぶことも考えられます。

さらに、ハイテク分野では、米政府が、安全保障上の観点から中国の通信機器最大手「ファーウェイ」(未上場)を米国市場などから排除しようと、引き続き制裁を科していることに象徴されるように、米中の対立が現在も続いています。中国は、25年までに「世界の製造強国の仲間入り」、建国100年となる49年に「世界の製造強国の先頭グループ入り」を目標とした国家戦略「中国製造2025」を15年に掲げて以降、製造業の高度化に向け、産業補助金を増やすなど、ハイテク関連産業への支援を強化しました。こうした産業補助金や国有企業優遇といった中国の産業政策に対し、米国は市場の公正な競争をゆがめているとして、抜本的な見直しを求めています。しかし、中国の譲歩は容易でないと考えられています。

なお、トランプ米大統領は1月上旬、中国との「第2段階」の協議の開始に意欲を示しながらも、11月3日の米大統領選挙後まで協議が妥結しない可能性にも言及しています。一方で、同大統領は1月中旬、EU(欧州連合)の欧州委員長との会談で、早期の貿易交渉入りを迫りました。こうした言動は、中国の産業政策が中心議題となる「第2段階」の米中協議について、短期間で成果を上げるのは困難とみて、トランプ政権が今年、対EU交渉を優先するつもりでいることを示唆している可能性があります。

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【図表】[左図]「第1段階」の合意で中国が約束した内容と今後の注目点、[右図]米中制裁関税の対象商品の規模と税率 グラフを拡大

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