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2020年2月25日

Vol.1571 ゲノム技術が変えるがん医療の未来
~ゲノム技術は人類を救う!?~

世界では、1年間に約1,800万人(2018年)もの人々が新たにがんに罹患しています。日本でも、2人に1人が一生のうちに何らかのがんにかかるといわれ、日本人の死亡原因の約3割(2018年)を占めています。しかし近年、ゲノム関連技術の進化に伴ない、同技術によるがん治療に向けた研究が進んでいます。

厚生労働省は2019年12月、がんや難病患者のすべての遺伝情報を網羅的に調べる全ゲノム解析(ゲノム全体を解読し、塩基配列の違いや変化を調べること)について、実行計画をまとめました。同患者約9万人の遺伝情報を最大3年かけて解析する計画で、これにより、新薬の開発や再発可能性の予測などが期待されています。

また、日本のがん専門機関である「がん研究会」は2020年1月、精密な検査を行なっても最初のがん発生臓器が特定できない「原発不明がん」の治療法解明に向け、患者の全ゲノム解析などの計画を発表しました。がんの治療は、発生した臓器に応じて治療法を検討することから、発生した臓器を特定できない原発不明がんは、治療方針の策定も難しいとされています。この計画により、原発不明がんの治療法の解明などが期待されています。

ゲノム編集においても、新たな研究が進んでいます。英国のカーディフ大学は1月、ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)」を応用し、ほとんどのがん細胞を識別できるT細胞(体内の免疫細胞の一種)の作製に成功したと発表しました。T細胞を使ったがんの治療法には、高額な医療費などから話題となったCAR-T細胞療法がありますが、同療法は白血病など血液がんに対して高い効果を発揮するものの、がんの約9割程度を占めるとされる固形がんでは、目立った成果を出せていません。今回作製されたT細胞は、研究室での実験段階ではあるものの、肺や皮膚など多様ながん細胞に対して、CAR-T細胞療法に匹敵する高い治療効果が示されたと報告されています。

ゲノム関連技術は、個人情報の保護や安全性の審査、倫理上の問題など課題は多いものの、長期的には、人類ががんを克服するうえで、欠かせない技術になる可能性を秘めています。

【図表】[左図]全ゲノム解析で、DNAのすべての遺伝情報を調査、[右図]T細胞が複数のがん細胞をロックオン 図を拡大

上図はイメージです。

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