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2020年3月23日

Vol.1583 新型ウイルスに関する不安・不透明感が現金志向に
~今後の雇用情勢や金融・財政政策の効果にも注視が必要~

新型ウイルスの世界的な感染拡大が進み、株式のようなリスク資産や、需要鈍化が懸念される原油にとどまらず、低リスク資産の国債などに加え、有事に強いとされる金までも売られる状況となりました。こうした中、“キャッシュ・イズ・キング”という言葉や投資家の現金志向がメディアで取り上げられるようになっています。

投資家心理を映すとされる米VIX指数は先週初、2008年の世界金融危機時に並ぶ水準まで振れ、新型ウイルス感染拡大の影響の強さを示しました。世界金融危機は、信用力の低い個人を対象とした、高金利の米住宅ローンの不良債権化に端を発し、米大手投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻などを機に、金融システム不安につながりました。一方、新型ウイルスの感染拡大に伴なう足元の不安は、いつ誰が感染してもおかしくない状況となったことに伴ない、より拡がり易く、しかも、日常生活を束縛されたり、職を失う恐れなどに加え、感染拡大の収束時期が見えないという不透明感もあり、強くなり易いとみられます。それだけに、防衛本能が働き、売れるものは売って、いざという事態に備えようとする現金志向につながった模様です。なお、米国では、銃や弾薬の売り上げが伸びていることから、失業の増加や景気の悪化が凶悪犯罪の増加につながるのではとの警戒感まで拡がっているとみられます。

足元では、新型ウイルスの感染拡大を抑えるべく、移動制限などの厳しい措置が世界的に拡がりつつあります。新型ウイルスの震源地とされる中国・武漢のように、厳しい措置が奏功すれば、感染拡大の収束が近づくことになり、不安や不透明感が和らぐと期待されます。ただし、感染拡大や厳しい措置の影響が雇用などの指標に表れるのはまだ先です。このため、企業・家計や景気の支援に向け、かなり大規模な金融・財政措置が世界で相次いで発表されているものの、これらを好感する市場の反応はこれまでのところ限定的です。世界金融危機の際も、金融システム安定化策や金融・財政政策が世界的に相次いで導入されると、市場の不安はある程度抑えられたものの、米国で株価が回復に向かい始めたのは、同国の雇用減少ペースが和らぎ始めた頃からでした。今回も、感染拡大や治療薬の開発・供給の行方だけでなく、主要国の雇用情勢および金融・財政政策の効果を注視する必要があります。

【図表】米国のS&P500指数、VIX指数および雇用者数の推移
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(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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