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2020年4月20日

Vol.1592 原油の供給過剰は年後半には解消される見通し
~不透明感が和らぎ、見通しの確度が高まれば、原油価格は持ち直し~

3月の原油価格の急落などを受け、OPEC(石油輸出国機構)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成するOPECプラスは4月12日、原油の協調減産を5月から再開することで合意しました。減産規模は、5~6月:日量970万バレル、7~12月:770万バレル、21年1~4月:580万バレルと、世界金融危機が起きた2008年の減産を大きく上回り、過去最大とされています。しかし、原油価格は下げ止まらず、20日のアジア時間にWTI先物が一時1バレル=14米ドル台半ばと、1999年3月以来の安値をつけました。

IEA(国際エネルギー機関)が4月15日に発表した最新の見通しによると、原油の需要は4月に前年同月比で日量2,900万バレル減と、25年ぶりの低水準に落ち込んだ後、徐々に持ち直すものの、12月でも270万バレル減と、前年割れが続き、20年通年では930万バレル減となり、8年ぶりの低水準になるとされています。これに対し、OPECプラスの協調減産の再開だけでなく、米国やカナダの減産も想定すると、年後半には供給過剰を脱すると予想されています。ただし、供給過剰が解消されてもしばらくは、足元で急増している原油在庫が市況に重くのしかかるとみられます。また、IEAの予想では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴なう需要減はこの4-6月期がピークと想定されていますが、感染再拡大の可能性などもあり、想定どおりとなるかどうか予断を許しません。原油価格が下げ止まらない主な背景には、こうした不透明感があると考えられます。

IEAの事務局長は、OPECプラスの協調減産の5月再開を踏まえると、この4月が石油業界にとって最悪の月になる可能性があると指摘しているほか、中国やインド、米国、韓国が原油備蓄の積み増しに向け、余剰原油を買い入れる方針だと述べています。また、足元では、一部の薬の臨床試験で、新型コロナウイルスの重症患者に効果が見られたとの部分結果などが報じられています。こうしたことなどから、IEAの見通しの確度が高まる方向で不透明感が徐々に和らげば、原油価格が持ち直しに向かうと期待されます。不透明感が強いと悲観的になりがちですが、必ずしも悪い方ばかりに事が運ぶわけではない点にも留意すべきでしょう。

【図表】[左図]原油の世界需給および価格の推移、[右図]主要資源の先物価格の推移 グラフを拡大

米EIA(エネルギー情報局)のデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。

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