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2020年4月27日

Vol.1594 政局不安が台頭するコロナ禍のブラジル
~レアルは新興国通貨の中でも下落が顕著~

ブラジル・レアルは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)に伴なう世界景気の後退懸念や、投資家のリスク回避姿勢の強まりを背景とした新興国資産への逆風、さらに、原油を中心とする資源の価格下落などにより、4月24日に対米ドルで過去最安値を更新するなど、新興国通貨の中でも軟調が目立ちます。

ブラジルでも3月半ば以降、州や市といった自治体を中心に、外出規制や商業施設の閉鎖などの措置が採られています。しかし、新型ウイルスは「ちょっとした風邪」に過ぎないとするボルソナロ大統領は、多数の失業者を生むとして厳しい規制に反対し、高齢者などの感染リスクが高い人に限定した外出制限を主張しています。さらに、SNS(インターネット交流サイト)を通じて、「ブラジルは止まってはならない」とのキャンペーンを打ち出しました。その後、同キャンペーンは地裁が禁じたものの、大統領は4月16日、自治体による規制の強化などを支持する保健相を解任しました。さらに、24日には、モロ法務・公安相が辞意を表明しました。同氏は、地方判事として歴代左派政権での汚職事件を追及してきたことから英雄視されている人物で、法相として汚職対策に腕を振るうことを期待されていました。辞任の直接的な理由は、同氏の右腕とされる連邦警察庁長官を大統領が政治的思惑で無理やり解任したこととされましたが、大統領の身内にいくつかの疑惑が浮かぶ中、両者の関係は悪化していたとされています。そして、感染拡大の抑制に向けた対応で国民の支持を集めていた保健相の解任に続き、看板閣僚が辞意を表明したことを受けて政局不安が高まり、ブラジル・レアルが売られただけでなく、ボベスパ指数は24日に前日比5%超の下落となりました。

ブラジル保健省の24日の発表によると、同国における新型ウイルスの感染者数は約5.3万人、死亡者数は3,670人と、いずれも中南米で最多であり、感染者数は新興国の中でも、トルコやイラン、中国、ロシアに続く多さで、状況は厳しいと言わざるを得ません。それだけに、まずは感染拡大の抑制に向けた、国を挙げての取り組みが重要と考えられます。ところが、大統領自らが、そうした取り組みに異を唱えたり、政局不安を招いているようでは、国民の結束は難しく、むしろ分断につながる恐れもあるだけに、影響が尾を引くことが懸念されます。

【図表】[左図]ブラジル・レアルと株価の推移、[右図]ブラジルの主要指標の推移 グラフを拡大

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