Raku Yomi 楽読(ラクヨミ)

楽しく、楽に読めるマーケットで話題のトピック(不定期)


2020年4月30日

Vol.1596 待たれる新興国資産・通貨の巻き返し
~新興国からの資金引き揚げには一巡の兆し~

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴なう世界景気の後退懸念や原油価格の急落などを背景に投資家がリスク回避姿勢を強めたことなどから、新興国の資産や通貨の相対的な軟調さが目立ちます。

左下のグラフは、2008年以降の主な世界的ショック発生後の、新興国からの投資資金の流出状況をまとめたものです。それを見ると、新型コロナウイルスの感染拡大が中国にとどまっていた間には目立った動きはなかったものの、同国外でも感染が拡がると投資資金が一挙に引き揚げられたことが分かります。しかも、その額は1,000億米ドル超と記録的水準で、対GDP比でもリーマン・ショック時を大きく上回っており、こうした高水準の資金引き揚げが、新興国資産や通貨の相対的な軟調の主な要因とみられます。しかし、新興国からの資金引き揚げも、感染拡大の第2波などがなければ、足元で既にピークを打ったようにも見受けられます。

右下のグラフは、新興国・先進国間のGDP成長率格差と相対株価を並べたものです。2000年から09年は、成長率格差が拡がり続け、株価パフォーマンス面で新興国優位の展開となりました。しかし、10年以降は成長率格差が縮まり、新興国が株価パフォーマンスで劣後する状況となっています。今年は成長率格差が急拡大する見通しながら、新興国、先進国ともマイナス成長予想であるほか、感染拡大の収束時期などの不透明要因により、見通しの確度が低いことなどから、これまでのところ新興国の株価パフォーマンスの改善に至っていません。

しかし、既に経済活動の再開に動き出している中国で、延期されていた全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5月22日から開かれることとなり、経済対策を盛った予算が承認されれば、財政出動が加速すると期待されます。足元では、欧米の金融・財政政策や経済活動再開の動きが注目されているものの、今後、中国での動きが鮮明化し、回復期待が高まれば、新興国資産・通貨にとって転機となることも考えられます。

【図表】[左図]新興国からの投資資金流出状況の比較、[右図]新興国と先進国の成長率格差と相対株価の推移 グラフを拡大

IMFなどの信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

  • 当資料は、日興アセットマネジメントが情報提供を目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解および図表等は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
  • 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。