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2020年5月8日

Vol.1599 落ち着きを見せ始めたJ-REIT市場
~経済活動再開の行方が先行きを左右しよう~

今年2月下旬から大きな値下がりが続いてきたJ-REIT(不動産投信)は、一旦大きな反発を見せ、足元では落ち着きを取り戻しつつあります。

J-REITの収益源は、保有している不動産物件から得る賃貸収入がほぼすべてとなっています。そのため、近年の不動産賃料の概ね安定した推移は、これまで、J-REITの好調なパフォーマンスの要因の一つとなってきました。しかしながら、足元では、新型コロナウイルス感染拡大に伴なう経済活動の急激な低迷により、安定していた賃料収入が大きく減少する可能性が危惧され、J-REIT価格は50%近い下落となりました。

3月以降に行なわれたJ-REIT各社の決算発表では、保有物件の種類によって内容に違いがみられました。具体的には、オフィスビルや住宅、物流施設を保有するREIT各社が比較的堅調な実績や見通しを示す一方、商業施設やホテルなどを保有するREIT各社の業績には冴えないものが目立っています。とりわけ、すでに稼働率が低下しているホテルについては、変動賃料(売り上げに応じて賃料が変動する仕組み)比率が相対的に高いこともあり、今期の業績見通しを引き下げる、あるいは未定に変更するREITが散見されました。

この先、経済活動の自粛が継続した場合、商業施設に限らず、オフィスビルなどでもテナントの経営に配慮し、賃料を見直す動きが出る可能性があります。そうした場合、今期はともかく来期以降の業績低迷が懸念されます。ただし、そうした懸念がある中でも、業績拡大に向け、継続して物件の取得を発表するREITもあるなど、J-REITの業績見通しは各社各様となっています。

現在の新型コロナウイルス感染拡大がいつ終焉するかはまだ見通せませんが、経済活動再開に向けた動きは着実に進んでおり、賃料収入の減少圧力が和らげばREITの業績への不安感は薄らぐことが期待されます。また、これまで述べたように、賃料収入の行方は物件の種類によって異なりますが、現状ではJ-REITが保有する物件の70%近くがオフィスビルや物流施設、住宅といった業績の堅調な物件で構成されています。このため、J-REIT全体でみた場合、スムーズに経済活動が再開されれば、業績回復を通じ、更なるJ-REIT価格の回復が期待されます。

【図表】J-REIT(価格と時価総額)の推移(2006年1月6日~2020年5月1日、週次)

(信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成)

※グラフは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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