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2020年6月4日

Vol.1604 アフターコロナで注目される中国の「新インフラ」
~米中問題がデジタルインフラの進展を加速させる可能性も~

新型コロナウイルスの感染対策から景気対策へと軸足を移す中国では、新型インフラ建設(新インフラ)への関心が高まっています。新インフラとは、5G(第5世代移動通信システム)基地局、データセンター、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などの「デジタルインフラ」を中心とする、質の高い経済成長を促すための基盤整備を指します。2018年末の中央経済工作会議で取り上げられて以来、中国政府は度々新インフラに言及しており、今年5月の全人代(全国人民代表大会、国会に相当)でも改めて新インフラの推進強化が打ち出されました。

新インフラのうち、中核的な存在とされるのが5Gです。5GはIoTやコネクテッドカー、オンライン診療など様々な分野の基盤となる技術であり、産業の高度化・高付加価値化のみならず、消費の拡大にも直結するとされています。中国は5Gの分野で世界市場を牽引しており、建設済みの基地局数は約20万ヵ所に上るほか、エベレスト山頂をもカバーする通信網を構築しています。中国通信院によると、5Gネットワーク建設の累計投資額は2025年に1兆2千億元に達すると見込まれるほか、関連分野の投資額は同年までに累計3兆5千億元を超える見通しです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国では様々なデジタル技術の活用が驚くべきスピードで拡がっています。わずか10日で建設された武漢の専門病院では、5Gネットワークが3日で整備され、高精緻な医療画像など大容量のデータを高速で通信できるビデオ会議システムにより、専門医と24時間体制で繋がる遠隔診療体制が構築されました。そのほか、二次感染のリスクを避けるため、スマートフォンやパソコンを通じたオンライン診療のユーザー数が飛躍的に拡大しています。教育現場では、2月初旬に「停課不停学(学校は休校しても学習は止まらない)」の方針が決定されると、瞬く間に多数のオンライン教育システムが構築されました。こうした流れは、今後5Gの普及・発展を背景に、爆発的な拡大を遂げると予想されています。

このように、中国では様々な分野でデジタルインフラへの期待が高まる一方、足元では米中問題の再燃、とりわけハイテク摩擦の激化が懸念されています。しかし、外部環境の悪化はむしろ、広大な国土と14億人の人口を擁する中国国内市場に立脚する、デジタルインフラの進展を加速させる可能性もあります。感染拡大で落ち込んだ経済のテコ入れという短期的な効果とともに、経済の構造改革や次世代産業の形成といった中長期的な効果が見込まれる新インフラが、中国経済の新たなエンジンとなることが期待されます。

【図表】[左図]中国の新インフラのカテゴリー、[右図]中国本土株式テーマ別指数の騰落率 グラフを拡大

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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