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2020年6月12日

Vol.1607 早期のコロナ封じ込めがセンチメントの改善に
~堅調に推移するオセアニア通貨~

為替市場において、早期の「コロナ封じ込め」が、センチメント(市場心理)の改善につながり、オセアニア通貨の上昇を支えています。

6月8日、ニュージーランドは、新規感染者数が17日間ゼロという状況下、新型コロナウイルスの感染防止のために行なってきた行動規制を解除しました。これに伴ない、屋内外での集まりの人数制限やソーシャルディスタンス(社会的距離)規制が撤廃され、市民生活や経済活動は正常化に向かいつつあります。またオーストラリアは、7月末までに本格的な経済活動を再開させることを目指し、5月8日から段階的に行動規制を緩和しており、その後も新規感染者数は低水準を維持しています。加えて、両国にとって最大貿易相手国である中国が経済活動を再開したことやそれを受けて鉄鉱石価格が上昇基調となっていること、2020年1-3月期GDP成長率が両国とも他の先進国ほど悪化しなかったことなども好感され、豪ドルおよびNZドル(ニュージーランドドル)の上昇を支えました。

早期のコロナ封じ込めに成功しつつある両国は、いち早く都市封鎖に踏み切った分、経済活動が停滞し、2020年4-6月期のGDP成長率は、大幅に低下することが見込まれています。ただし、両国とも、大規模な経済支援策を相次いで実施し、経済の下支えを図っています。また金融緩和も進めており、両国とも、3月に史上最低となる0.25%まで政策金利を引き下げました。ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は、国債を購入する量的緩和政策を実施しているほか、必要に応じて一段の利下げやマイナス金利導入も辞さないスタンスです。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は、初めて、3年物の国債利回りの誘導目標を0.25%とするイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策を導入して、流通市場で国債などの買入を行なう量的緩和政策を実施しています。

足元では、オーストラリアが新型コロナウイルス感染拡大の経緯について国際調査の実施を他国に働きかけていることに中国が反発し、オーストラリアに対して報復措置を相次いでとっており、豪ドルの上値を抑える要因となっています。また、ニュージーランドは、感染拡大の第2波を警戒し、外国人の入国禁止など一部規制を、当面、継続するため、観光や留学を含む教育など主力産業の回復には時間を要すると思われます。これらの動向は、世界経済や資源価格などと同様に、オセアニア通貨の今後の推移をみるうえで、注目点になりそうです。

【図表】[左図]豪ドルとNZドルの推移、[右図上]主要国の実質GDP成長率、[左図下]オーストラリアとニュージーランドのの企業信頼感指数 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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