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2020年6月18日

Vol.1609 中国企業の「自国回帰」で市場の魅力向上
が期待される香港証券取引所

2018年に香港証券取引所が、有力企業の上場を誘致することをめざし、経営陣に強力な議決権を与える種類株を発行する企業の上場を認めて以降、香港市場を上場先に選ぶ大手中国企業が相次いでいます。記憶に新しいところでは、「アリババ」が2019年11月に上場を果たしたほか、今年6月11日にはゲーム大手の「ネットイース」が、18日には、「アリババ」のライバルとされるネット通販大手「JDドットコム」が上場を果たしました。これら3銘柄は、すでに米国に上場済みであり、投資家に広く知られている銘柄です。

米国上場の中国企業による「自国回帰」の動きは以前からみられていたものの、足元で加速している背景には、新型コロナウイルス感染拡大後、米中対立の構図が色濃くなり、米国で中国企業への風当たりが強くなったことが挙げられます。米上院は5月20日、米国株式市場に上場する外国企業に経営の透明性を求める法案を可決しました。同法案は主に、中国企業への規制強化を念頭に置いたものと言われており、従わなければ上場廃止にもなる厳しい内容の法案です。加えて、ナスダックも会計の透明性に欠ける中国企業のIPO(新規株式公開)を制限することを視野に、IPO基準の厳格化に動き出しました。振り返ると、米国市場に上場する中国企業のIPOや株価の動向は、米国における中国のイメージに左右されるところがありました。例えば、中国のイメージが良い時には、中国企業は積極的に誘致され、米国での上場が増える一方、いったんイメージが悪化すると、ファンダメンタルズの良し悪しにかかわらず、中国企業の市場価値が傷つけられるといったことが幾度となくみられました。ただし、今回は規制強化の動きであるだけに、米国市場に上場する中国企業にとってことは深刻です。

なお、香港の株式市場の値動きを表す代表的な指数であるハンセン指数には従来、種類株を発行する銘柄は採用不可となっていましたが、採用を認める規定改定が5月18日に発表されました。これは、「自国回帰」に対応する動きであり、この先「アリババ」のみならず、出前サイトの「美団点評」やスマートフォンメーカーの「シャオミ」など、従前から投資家の注目度が高かった中国銘柄が、今年夏頃にも同指数に採用されるのではないかといった見方が市場で拡がっています。

新型コロナウイルスの感染拡大収束の目途が立たない中、今年11月に米大統領選挙が控えていることなどもあり、今後も米国による中国批判が続く可能性が考えられます。このような中、種類株を巡る規制緩和を追い風に、成長余力のあるテクノロジー企業の「自国回帰」の動きが拡がるようであれば、市場の活性化とともに、香港市場が世界の中でも投資先としての魅力を高めていくと期待されます。

【図表】[左図]ハンセン指数の組入上位銘柄、[右図]世界の取引所別のIPO調達額 グラフを拡大

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