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2020年7月10日

Vol.1614 上昇基調を強める深セン株式市場

中国の深セン株式市場の上昇基調が続いています。深センA株指数は、今年6月下旬以降上昇ペースを強め、足元では、2015年以来の高値水準で推移しています。

中国本土株式市場では、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の1月まで、堅調な企業業績、投資家のリスク志向の強まり、海外からの資金流入の拡大、株価上昇といった流れができつつありました。そして、感染拡大について、いったんの収束がみられた後、6月に入り再び北京などで感染者数の増加が確認されているものの、足元では、大幅な金融緩和に加え、景気回復の兆しが見え始めたことなどが支援材料となり、株価が上昇基調を取り戻す展開となっています。特に、テクノロジー関連銘柄が多く上場する深セン市場では、アフター・コロナのIT需要拡大などを見据え、資金流入が加速する状況となりました。

金融緩和を背景に株式市場が上昇するケースはよくみられます。今回は、緩和のスケールが比較的大きく、加えて、今年の財政支援策では、「新型インフラ整備*」といった成長セクターに焦点が当てられていることが、関連銘柄が多く上場する深セン市場への資金流入を促していると考えられます。なお、7月に入ってからは、深センA株指数だけでなく上海A株指数の上昇も急ピッチとなりましたが、これは、出遅れていた金融セクターにも投資資金が流入したためとみられます。

今後については、これまでの株価の上昇ペースが速かっただけに、新型コロナウイルスの感染拡大動向や中国の主要経済指標の内容、そして、海外市場の動向などによっては、短期的に利益確定売りが拡がることが想定されます。ただし、感染対策の常態化による、「非接触(ゼロ・コンタクト)経済」の拡大もあり、今後、中国のテクノロジーサイクルが5G(第5世代移動通信システム)などによって更に強化されていくことは明らかとみられ、これらの恩恵を受けやすい深セン市場の銘柄は引き続き投資家の関心を集めると考えられます。

なお、2015年に中国本土株式市場が急騰、急落した経験などから、一部には、足元の急ピッチな株高を警戒する向きもあります。ただし、当時と比較すれば、企業業績面では回復局面にあること、そして、資金面では海外投資家や機関投資家からの資金が増加しており、当時上昇のけん引役となった投機的な資金流入は相対的に抑えられていることなどが、重要な相違点と言えます。また、年後半に向けて、米中関係や海外における感染拡大動向といった不透明要因があることを踏まえると、政府も簡単には政策支援について手を抜けない状況とみられます。こうしたことから、短期的に株価が下落する可能性はあるものの、過去との環境が異なっている点は、注目すべきと考えられます。

*5G基地局、データセンター、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などの「デジタルインフラ」を中心とする、質の高い経済成長を促すための基盤整備を指す。

【図表】[左図]主要株価指数の推移(現地通貨ベース)、[右図]中国本土株式市場における海外投資家の資金フロー グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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