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2020年7月10日

Vol.1615 金融市場を支える、前例のない財政・金融政策
~過度の楽観と同様に、悲観的になりすぎることも避けるべき~

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2月から3月にかけて世界的に株価が急落したものの、4-6月期には株価の大幅反発が目立ち、米ナスダック総合指数の場合、1999年以降で最大の値上がりとなる約+30%を記録し、史上最高値を更新しました。V字型の景気回復を前提としているかのような株価の急反発に象徴される金融市場の動きに対して、IMF(国際通貨基金)のように、世界経済の実態から乖離していると警告する向きもあります。

株価の急反発を促した大きな要因として、前例のない財政・金融政策の組み合わせが挙げられます。財政支出や減税に加え、資金繰り支援策など、コロナ禍への対応として世界で打ち出された財政政策の規模は、IMFの集計で約11兆米ドルに及びます。また、金融政策の面では、政策金利が一段と引き下げられた国があるほか、中央銀行による資産買入れや銀行部門への流動性供給など、資金の流れを維持するために量的緩和が行なわれています。これらに伴ない、世界の主要中央銀行の6月末の資産規模は、1月末と比べて約6兆米ドルも膨らみました。これは、リーマン・ショックのあった世界金融危機の際、2007年12月からの2年間で増加した額の2倍以上にあたります。また、今回は、いくつかの新興国において、資産買入れが初めて採用されました。

前例のない財政・金融政策に加え、経済活動再開の動きが拡がり、企業景況感が持ち直すとともに、景気や企業業績の回復期待も高まり、株価は回復を続けてきたものの、足元では、米国などでの感染再拡大の兆しもあり、株価の上値が重くなりつつあります。こうした中、今後の株価を左右する要因の1つとして、来週から始まる米国の企業決算発表での会社側の業績見通しが注目されます。「先行きが不透明」だとして発表が見送られたり、厳しい見通しが示されれば、行き過ぎの感もある楽観が修正され、利益確定売りにつながると見込まれます。ただし、その場合でも、財政・金融政策が下支えになると期待されます。また、感染の再拡大に関して、主要国はかつてのような厳しい行動制限の再導入に否定的な模様です。さらに、ワクチン開発の取り組みが続いていることもあり、「先行きが不透明」=「事態は悪い方向に振れる」と性急に決めつけ、悲観的になることは避けるべきと考えられます。

【図表】[左図]主要国・地域のコロナ禍対応の財政政策の規模、[右図]主要中央銀行の資産規模の推移 グラフを拡大

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

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