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2020年7月20日

Vol.1617 米小売売上高はコロナ禍前の水準を回復
~ただし、感染の再拡大もあり、「財政の崖」への対応に要注目~

先週16日、米国で6月の小売売上高が発表され、新型コロナウイルス感染拡大前の2月に記録した水準をほぼ回復したことが明らかになりました。しかし、同国では足元で感染が再び拡がっており、16日には新規感染者数が初めて7万人を超えました。こうした状況下、失業保険の継続受給者数は減少傾向ながら、そのペースは緩やかです。しかも、失業給付の加算措置が今のところ7月末で終わる予定となっているなど、新型コロナウイルス対策の期限切れ、いわゆる「財政の崖」が近づきつつあり、今後の対応や消費の行方が注目されます。

米国の6月の小売売上高を感染拡大前の2月と比べると、自動車・ガソリン・建材・飲食サービスを除くコア・ベースで約5%上回り、全体では約0.6%下回る水準まで回復しました。こうした回復の背景として、大人1人に対し最大1,200米ドルの現金給付や、失業給付の加算といった積極的な財政政策に加え、4月下旬以降の経済活動の段階的な再開が挙げられます。ただし、週当たり平均380米ドルの失業給付に600米ドルを加算する措置は7月末で終了するほか、経済活動の再開が早かった州を中心に足元で新規感染者が増加する中、カリフォルニア州では先週、バーの営業やレストランなどでの屋内営業が禁止されるなど、再規制の動きも見られ始めています。このため、米国経済のおよそ3分の2を占める個人消費について、先行き不透明感を指摘する向きもあります。

米国では、4-6月期を中心に既に約3兆米ドルの財政政策が打たれましたが、「財政の崖」が迫る中、上下両院で20日から、追加支援策を巡る協議が再開されます。その規模として、トランプ大統領が2兆米ドル程度を要求しているのに対し、野党・民主党には3兆米ドル程度の案もあります。なお、失業給付の加算措置については、両党とも継続という点では一致しているものの、失職者の4分の3程度が以前の給与水準を上回る失業給付を受けているとの指摘もあり、加算額を共和党は200米ドル程度に、民主党は500米ドル程度に抑えることを目指しています。このように、両党の提案には細部について開きがあるため、協議に時間を要し、金融市場に一時的な動揺が走る可能性は否定できません。ただし、追加支援策が不可欠との点では一致していることなどから、最終的には協議はまとまると見込まれ、足元での新規感染者数の増加がそれを早めることも考えられます。

【図表】[左図]米小売売上高の推移、[右図上]米国の新型ウイルス感染者数の推移、[右図下]米失業保険継続受給者数の推移 グラフを拡大

米国勢調査局、米労働省などの信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

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