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2020年7月31日

Vol.1620 史上最高値を更新した金
~好材料が揃い、追い風が続く見通し~

金価格の上昇が続いています。ニューヨーク金先物は7月下旬に、従来の最高値であった2011年の1トロイオンス=1,890米ドル台を突破し、2,000米ドルを試す展開となっています。年初からの騰落率は+29.1%(7月30日現在)と、主要資産の中でも好調な米NASDAQ総合指数の+18.0%も大きく上回っており、投資家の先行きに対する不安感の表れとして、金が選好されている状況がうかがえます。

金が選好される理由として、①実物資産であるため、有事に強い、②金利がつかないため低金利下で選好されやすい、③代替通貨(無国籍通貨)として米ドル安時に買われやすい、などがありますが、コロナ禍で、これらの材料いずれもが、金に追い風となってることが挙げられます。特に足元では、世界的な経済活動再開の動きを受けて景気回復への期待が高まっていたところへ、米国や欧州での感染第2波懸念や中南米での感染拡大が強まっていることなどから、本格的な回復見通しに確信を持ちにくくなっている状況です。加えて、米景気動向の先行き不透明感などから、米ドルが、7月下旬に対円で104円台まで下落するなど、弱含む展開となっていることを受け、さらなる米ドル安に備えて金を保有する動きなどが、金の上昇ペースを加速させているとみられます。

今回の上昇局面を、過去に金価格が大きく上昇した1979年のイラン革命に伴なう第二次オイルショックやソ連のアフガニスタン侵攻などの「有事」の際や、2008年の世界的な金融危機に伴なう大規模金融緩和や米国債格下げの時と比べると、現状では、上昇率、日数ともに穏やかなペースとなっています(下グラフ)。経済活動正常化までの道のりが不透明なことや、大規模金融緩和の長期化見通しなどを踏まえると、当面、金が資金の退避先として選好されやすい展開が続くと見込まれます。

なお、金などの商品(コモディティ)は、株式などに比べて市場規模が小さく、値動きが大きくなりやすいことから、これまで上昇を続けてきた金に短期的な調整が入る可能性はあります。ただし、近年は金融市場の急変が多発するなか、株式や債券との値動きの相関性の低さや、米ドルとの逆相関といった価格特性などを背景に、金が、環境悪化に備えた分散投資先やリスクヘッジ手段として幅広い投資家から注目が集まっている点も、金価格を支えていくとみられます。

【図表】[左図]金価格(NY金先物)の推移、[右図]左記3局面での上昇率と経過日数 グラフを拡大

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