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2020年9月8日

Vol.1631 コロナショック後も堅調を維持する先進国債券

昨年来、先進国債券市場が堅調に推移しています。2019年は米中問題の再燃などから世界景気の減速懸念が強まり、主要先進国は、より景気に配慮した金融政策に舵を切りました。そのため、先進国の長期金利が低下し、債券価格は上昇しました。9月以降は米中問題の進展などから市場心理が回復し、長期金利は上昇(債券価格は下落)しましたが、今年2月から3月にかけてのコロナショックによる乱高下の後は、他の金融資産と同様に債券価格は上昇基調となっています。一般に、株式などのリスク性資産が上昇する局面では、安全資産である債券は売られ、価格が下落する傾向にありますが、背景にはどのような状況があるのでしょうか。

新型コロナウイルスの感染拡大による金融市場の動揺は、3月中旬まで続いた後、主要国の政府や中央銀行が相次いで大規模な景気支援策を打ち出したことや、経済活動の再開期待などから、次第に落ち着きを取り戻しました。一般に、大規模な財政政策は、国債発行の急増懸念から金利の上昇を招く可能性があります。しかし、コロナ禍では同時に中央銀行が前例のない規模の金融緩和策を打ち出す例が多くみられ、主要国では量的緩和による国債の大量購入で金利の上昇が抑制される構図となりました。また、株式市場は堅調ながら、感染再拡大や米中問題の再燃に対する警戒感などがくすぶり、先行きの不透明感から、投資家は安全資産である債券を手放しづらいという事情もあったと考えられます。

このように、歴史的な低水準となった長期金利がコロナショック後の債券市場を支えましたが、今後はワクチン開発や景気回復の状況などにより、緩やかに上昇する可能性もあります。しかし、経済の完全回復が見えない状況では、FRB(米連邦準備制度理事会)が8月末に低金利を長期間維持する姿勢を示したように、各国・地域の中央銀行は引き続き、緩和的な金融政策を通じて景気を支え続けると見込まれます。また、多くの国で財政赤字や企業債務が過去最高水準となる中、金利の上昇は利払い負担の増大につながることからも、世界で低金利政策が維持される可能性は高いと考えられ、引き続き債券市場の追い風になることが期待されます。

なお、金利の低下は債券のインカム収益を減少させたものの、主要国の政策金利が一様にゼロ近辺となったことで、海外債券に投資する場合の為替ヘッジコストが大きく低下したという側面もあります。世界経済の先行き不透明感が高い今、先進国債券投資の意義を再確認してみてはいかがでしょうか。

【図表】[左図]先進国債券のパフォーマンスと米長期金利の推移、[右図]金利水準と為替ヘッジコストの変化 グラフを拡大

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