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2020年9月23日

Vol.1637 世界景気の回復見通しは盤石か?
~注目される米国の追加財政支援策の行方~

コロナ禍の影響などから、主要国・地域の景気先行指数(左上段グラフ)は、中国で今年2月、日米欧では4月に著しく低下しました。しかし、コロナ対応で採られた移動制限などの規制が徐々に緩められ、経済活動の再開が進んでいることなどから、景気先行指数は足元で揃って改善傾向にあり、世界景気についても4-6月期に底を打ち、回復基調になるとの期待が拡がっています。そうした中、米FRB(連邦準備制度理事会)は16日、今年のGDP見通しを上方修正した一方、2021、22年の見通しを下方修正するなど、先行きについて慎重な見方を示しました。

FRBの最新見通し(連邦公開市場委員会参加者の9月見通しの中間値)では、米国のGDP成長率は今年が前年比▲3.7%と、前回6月時点の見通しから2.8ポイント上方修正された一方、21年は+4.0%、22年も+3.0%と、それぞれ、1.0ポイント、0.5ポイントの下方修正となりました。また、23年の見通しは+2.5%と、一段の鈍化が想定されています。FRBのパウエル議長は会見で、これまでの景気回復は予想よりも急速に進んだと評したものの、見通しは非常に不確実で、新型ウイルスの感染を食い止められるかどうかに大きく依存していると強調しました。そして、金融政策面であらゆる手段を用いると述べた上で、財政支援策も必要不可欠だと訴えました。

主要経済指標と市場予想とのかい離状況(右グラフ)を見ると、米国では6~8月に予想を上回る指標の発表が相次いだものの、9月に入るとその数がやや減っています。同国では、コロナ禍対応で採られた財政政策が期限切れを迎える、いわゆる「財政の崖」に直面しています。例えば、失業給付の上乗せは7月末で終了した後、大統領令で一部が8月に復活したものの、9月中にも主な財源が枯渇する懸念があります。ところが、与党・共和党と野党・民主党が追加支援策の規模などを巡って対立し、折り合いがつかない状況が続いています。一方、米CDC(疾病対策センター)の所長は議会証言で、新型ウイルスのワクチンが米国で普及するのは来年の夏ないし秋ごろとの見方を示しています。経済活動の正常化までにまだ1年程度要する可能性があることを踏まえると、追加の財政支援策の有無による影響はかなり大きくなると考えられるだけに、今後の行方が注目されます。

【図表】[左図]主要国・地域の景気先行指数の推移
/世界の貿易量および鉱工業生産の推移、[右図]エコノミック・サプライズ指数の推移 グラフを拡大

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

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