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2020年9月28日

Vol.1639 トルコで2年ぶりの利上げ
~リラの持ち直しを期待するには時期尚早~

トルコ中央銀行は9月24日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を2ポイント引き上げ10.25%とすることなどを決定しました。市場では金利は据え置きとの見方が有力だったため、利上げ決定の発表を受けてトルコ・リラは対米ドルなどで上昇しました。ただし、軟調傾向を辿ってきたトルコ・リラが、2018年9月以来2年ぶりとなる今回の利上げを機に持ち直しに転じると考えるには時期尚早とみられます。

トルコ中央銀行は昨年7月以降、今年5月まで9会合連続、計15.75ポイントの利下げを行ない、1週間物レポ金利を8.25%としました。その後、政策金利は据え置かれたものの、トルコ・リラ安の進行などを受け、中央銀行は8月以降、市中銀行に資金供給する際、1週間物レポ金利より水準の高い翌日物貸出金利や後期流動性貸出金利を適用するという補完的な手段により、「裏口」の金融引き締めを行なってきました。これにより、市中銀行の資金調達金利は、7月半ばに7%台前半だったものが9月下旬には10.6%程度へと上昇しました。しかし、インフレ率が直近8月で前年同月比+11.77%と、高止まりしているため、実質金利はマイナスとなっていました。今回、1週間物レポ金利は引き上げられたものの、依然としてインフレ率や前述の市中銀行の資金調達金利を下回ります。ただし、翌日物貸出金利や後期流動性貸出金利も同様に2ポイント引き上げられています。このため、市中銀行への資金供給に当たり、今後も翌日物貸出金利や後期流動性貸出金利が適用されるようであれば、資金調達金利がインフレ率を上回る水準となる可能性もあるだけに、中央銀行の政策運営が注目されます。

さらに、今回の中央銀行の決定に対するエルドアン大統領の反応にも要注目です。同大統領は、中央銀行に執拗に利下げ圧力をかけ、それに従わなかった前総裁を解任しており、そうした強硬な行動が繰り返されるようなことがあれば、トルコ・リラの軟調が続く恐れがあります。一方、大統領の反応が不満の表明程度にとどまり、中央銀行が今後、通貨防衛やインフレ抑制に向けて断固とした政策運営をとり続けることとなれば、市場からの信頼の改善・回復につながり、トルコ・リラが持ち直しに転じる可能性もあります。ただし、中央銀行の独立性や金融政策の方向性以外にも注意すべき点があります。ギリシャなどが主権を主張する海域でガス田の探索を行なっているトルコに対し、EU(欧州連合)内で批判があがっており、10月1~2日のEU首脳会議で議論される予定です。経済制裁が発動されるような場合には、貿易や観光面などで結びつきが強いだけに、影響が大きくなることも考えられます。

【図表】[左図]トルコの通貨、物価、外貨準備高の推移、[右図]トルコの主要金利の推移 グラフを拡大

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