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2020年10月27日

Vol.1649 積極的な経済対策で景気回復が期待されるオーストラリア
~中国経済への依存度軽減もめざす~

新型コロナウイルス感染拡大による世界経済への影響が拡がる中、オーストラリア(以下、豪州)では、景気浮揚に向けて、政府、中央銀行による大規模な経済対策が講じられているほか、これまでの豪州経済の成長に大きく寄与してきた中国への依存度を引き下げる取り組みなどが推し進められています。

豪州では、過去約30年間景気拡大を続けてきたものの、同国史上最大の被害を招いたとされる森林火災に加え、新型ウイルス感染拡大による経済活動の落ち込みを受けて、GDPは2020年1-3月期に前期比▲0.3%、4-6月期には同▲7.0%と2四半期連続のマイナス成長となり、景気後退局面に入りました。同国内では、6月中旬以降にメルボルン市やビクトリア州で感染拡大の第2波が確認されましたが、足元では、新規感染者数が減少傾向にあることから、行動制限を段階的に緩和しつつあります。

そうした中、景気回復に向けて、豪州政府は10月6日にインフラ投資や減税などに今後4年間でGDPの約5%に相当する980億豪ドルを充てる本年度(2020年7月~2021年6月)予算案を発表しました。また、豪州準備銀行(中央銀行)は同日の理事会で政策金利を過去最低の0.25%に据え置くとともに、さらなる引き下げを検討するなど、積極的な財政・金融政策がとられています。

さらに、経済連携の強化・拡大に向けた取り組みなどにより、中国経済への依存度を軽減させる動きも進められています。豪州の2019年の輸出のうち資源や食料を中心に3割超を中国向けが占めており、不動産や観光業の成長にも中国が寄与しているとされています。しかし、4月にモリソン政権が新型ウイルス発生源の独立調査を求めたことで両国の関係が悪化し、中国が豪州産の牛肉や大麦などに輸入制限や追加関税を課す事態となりました。このような中、豪州は7月にインドネシアとの関税撤廃などを含んだ経済連携協定を発効し、加えて9月の日本やインドとの連携強化などを通じて中国依存からの脱却を図りつつあります。

足元では、世界的に新型ウイルス感染拡大の収束の目途がたっていないことから、引き続き世界経済への影響には注視が必要です。ただし、豪州において、新規感染者数の減少や経済対策への期待感などを背景に、消費者のセンチメントに改善がみられていることなどは明るい材料と言えます。さらに、中長期的には、中国依存を脱却する動きが進展することで、中国の政治・経済動向に左右されにくい豪州経済の成長が期待され、今後の動向が注目されます。

【図表】[左図]豪州のGDP成長率の推移、[右図]豪州が結ぶ主な貿易協定など グラフを拡大

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