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2020年11月17日

Vol.1658 政府の柔軟な対応と旺盛な需要を背景に、
堅調が期待される中国不動産市場

中国では昨年末以降、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて不動産市場も停滞を余儀なくされました。そのため、政府は2月下旬に経済活動の再開に踏み切ると同時に、住宅ローンの条件緩和などの規制緩和策を打ち出し、不動産市場のテコ入れを進めました。その結果、力強い需要を背景に住宅販売は急速な回復を遂げましたが、金融緩和で市場に流出したマネーが不動産価格を押し上げたことなどから、「一線都市」と呼ばれる大都市を中心に住宅価格が高騰しました。

中国の不動産市場を巡っては、かつては「緩和か引き締めか」という極端な政策が中央政府のトップダウンで決められるのが主流でした。しかし近年は、地域ごとに異なる価格動向に配慮し、実情に見合った政策の導入が地方政府に任される傾向にあります。住宅価格の上昇が加速した今年7月以降には、一部の都市で引き締め策がとられるなど、各地で柔軟な対応が見られました。特に中国で最も消費活動が盛んとなる9月、10月は不動産市場もピークとなることから、これに先立って杭州、瀋陽、成都などの多くの都市で住宅の購入・販売に対する規制強化や住宅購入時の頭金引き上げといった引き締め策が発表された一方、不動産在庫の消化が限定的な都市では緩和策が実施されました。こうした対応により、足元で住宅価格の上昇ペースは落ち着きを見せています。

また、中央政府も不動産市場の健全性を注視しており、9月初旬には、不動産開発企業の過剰債務を抑制し、財務の健全化を促すことを目的とした引き締め策、「三条紅線(3本のレッドライン)」の試験運用を開始しました。こうした規制の強化により、不動産業界全体の債務の質が中長期的に改善するとみられています。

このように、中国の不動産市場では、地域ごとの柔軟な対応によって健全性の維持が図られています。現政権は、不動産の投機的な取引を厳しく抑える政策を一貫して継続しており、かつて見られたような全国的なバブルへの懸念は過去のものになりつつあります。一方で、結婚や出産などの家庭の形成や、都市部人口の増加といった構造的な要因を背景に、住宅の需要は引き続き旺盛であると見込まれることから、今後も中国の不動産市場は適切にコントロールされながら、堅調に推移するものと期待されます。

【図表】[左図]中国の建物販売額動向、[右図]中国主要70都市の新築建物価格動向 グラフを拡大

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