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2020年11月17日

Vol.1659 市場はトルコの大幅利上げを期待
~ただし、エルドアン大統領が真に改心したかは不透明~

トルコでは、エルドアン大統領が11月7日に中央銀行のウイサル総裁を更迭し、後任にアーバル前財務相が就いたのに続き、8日には同大統領の娘婿であるアルバイラク財務相が辞意を表明しました。これらを受け、トルコ・リラは週明けの9日に急反発、さらに、10日にエルバン元副首相が財務相に就任することが明らかになると、トルコ・リラは13日にかけて対米ドルで続伸、対円でも堅調に推移しました。

大統領による中央銀行総裁の更迭という、中央銀行の独立性を脅かすような決定を受け、トルコ・リラが売られるどころか力強く上昇した背景には、同大統領が2019年7月にも中央銀行総裁を更迭しているほか、その際に総裁職を引き継いだウイサル氏が、景気浮揚に向けた金融緩和を執拗に求める大統領の意向を汲んで、利下げを繰り返してきたことなどから、そもそも中央銀行の独立性やウイサル氏に対する信認が損なわれていたことが考えられます。また、エルドアン大統領に近い人物とされるアーバル新総裁が、「物価安定のためにあらゆる手段を使う」と表明したことなどもあり、同氏が大統領に利上げの必要性を理解させることができるとの期待が拡がったとみられます。さらに、能力を疑問視する声まであったにもかかわらず、事実上の政権ナンバー2として幅広い分野で影響力を振るってきたアルバイラク氏と対照的に、財務相を引き継いだエルバン氏に対する評価が実業界などを中心に高いことも影響したと考えられます。なお、同氏は、「国際基準、透明性、予見可能性と説明責任を基盤とする」として、市場重視の姿勢で職務に臨む方針を示しています。

金融政策と経済運営を担う高官の相次ぐ交代を受け、エルドアン大統領は11日の議会で、インフレ抑制に向けて2人が「透明かつ予測可能な政策を推進していく」と説明し、「両氏が講じるあらゆる措置を支持する」と述べました。こうしたことなどから、19日に予定されている中央銀行の政策会合で、主要政策金利の1週間物レポ金利が10.25%から15.00%へ引き上げられるとの見方が有力となっています。期待が裏切られれば、トルコ・リラが改めて売り込まれる恐れがあり、利上げ幅はもちろん、今後の政策方針などが注目されます。また、今回、大幅利上げが決定されるとしても、油断は禁物です。なぜなら、大統領は、身内である与党の11日の会合で、高金利が高インフレの原因だという見解を改めて示しており、利上げを容認するかのような議会での発言は、トルコ・リラが最安値の更新を繰り返してきたこれまでの急場をしのぐための方便である可能性も否定できないからです。

【図表】[左図]トルコの通貨、物価、外貨準備高の推移、[右図]トルコの主要金利の推移 グラフを拡大

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