2014年4月7日
グローバルREITは、2014年に入り堅調な推移となっています。これは、イエレン新FRB(米連邦準備制度理事会)議長が、バーナンキ体制下での金融政策を維持する方針を示し、超低金利政策の長期化観測が拡がったことなどを受けて、米国を中心にREIT価格が大きく上昇したことが背景と考えられます。
昨年を振り返ると、米国で量的緩和の早期縮小懸念が強まるなか、長期金利の上昇に伴ない、REITの利回り格差の縮小や調達コストの上昇懸念などが嫌気され、グローバルREITが下落した場面もありました。しかしながら、その後、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で翌1月からの量的緩和の縮小が決定され、金融政策の方向性が明確化するなか、今後の景気回復に伴ない、不動産賃貸需要が拡大し、賃料の上昇や空室率の低下を受けてREITの収益力が向上していくとの期待が、グローバルREITの価格を押し上げたと考えられます。
市場では、足元で、米国における量的緩和縮小終了後の政策金利の引き上げ開始の時期に注目が集まっています。今後は、そのタイミングを巡り市場が神経質な動きをみせ、短期的にREIT価格が変動する可能性も考えられます。しかしながら、米国を中心とした先進国の景気回復が力強さを増すようであれば、中長期的なREITの収益成長期待などが背景となり、グローバルREITの価格は上昇傾向を辿ると期待されます。なお、利上げ局面における金利の上昇が、引き続き短期的なREIT価格の押し下げ要因となる可能性が考えられるものの、景気回復を伴なった過去の利上げ局面(2004年6月~2006年6月)をみてみると、上昇下落を繰り返しながらも、グローバルREITは上昇基調を辿ったことが確認できます。こうした過去の実績とともに、相対的に高い利回り水準などが魅力となり、グローバルREITは、投資対象のひとつとして、今後ますます投資家の関心を集めると期待されます。
![]() (信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
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