2014年6月12日
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は12日、政策金利を0.25%引き上げ年3.25%にすると発表し、即時実施しました。利上げは、今年3月に利上げに転じて以降、3会合連続となります。 ニュージーランドでは、2011年2月の地震で被災したクライストチャーチの復興需要や、乳製品価格の上昇などで経済成長が押し上げられており、2013/14年度(2013年7月-2014年6月)の経済成長率が+4%程度に達したもようです。また、好景気を背景に移民が増加し、住宅需要が旺盛になっていることも経済に好影響をもたらしています。その一方、建設費の上昇などでインフレ圧力が強まっています。ウィーラー同準備銀行総裁は声明で、ニュージーランド経済の拡大には「相当の勢い」があり、総合的なインフレ率は落ち着きを保っているものの、「インフレ圧力は今後高まることが予想される」とし、今後も利上げを継続する姿勢を示しました。 為替市場では、5月以降、通貨高への懸念を強めるウィーラー総裁が、為替介入の可能性を示唆したことに加え、同国の経済成長の鍵を握る乳製品価格が下落していることなどから、ニュージーランドドルは上値の重たい展開となっていました。しかしながら、12日には利上げが好感され、ニュージーランドドルは米ドルに対し約3週間ぶりの高値水準まで上昇しました。 一般に通貨高は輸出やそれを通じた経済全体の足かせになる傾向があるため、急ピッチな上昇には注意が必要です。しかし、ニュージーランドの主な輸出品は生活必需品である農作物や乳製品であり、輸出が落ち込みにくいとみられるほか、足元の好調な経済やそれを背景とした利上げ観測、また、アジアの人口増加と所得水準の向上に伴なう中長期的な乳製品需要の高まりなどを踏まえると、同国通貨は引き続き市場で注目を集めるものと考えられます。 (信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成) ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
|