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2014年9月8日

Vol.850 欧州銀行の財務健全性向上とともに関心の高まりが期待されるCoCo債

リーマン・ショック後、金融危機の再発防止を目的として、銀行規制を一段と強化する動きが進んでいます。主要国の銀行監督当局で構成されるバーゼル銀行監督委員会が、国際業務を展開する銀行の財務健全性を維持するために示した自己資本規制等に関するルール、「バーゼルⅢ」(2013年から段階的に導入され、2019年に完全実施予定)もそのひとつです。「バーゼルⅢ」により、銀行は、より高い自己資本比率の水準を求められるだけでなく、資本の質についても向上させる必要があります。この要求を満たすために、銀行が資本の充実を進めるなかで、市場拡大が見込まれているのがCoCo債(偶発転換社債)です。

CoCo債発行による調達資金は、バーゼルⅢにおいて自己資本への算入が可能であることから、CoCo債は、バーゼルⅢ対応型のハイブリッド証券として知られています。これまで銀行は、自己資本増強に向けて劣後債や優先証券などのハイブリッド証券を発行してきました。しかしながら、こうした従来型のハイブリッド証券の多くは、バーゼルⅢにおいて、自己資本への算入が認められなくなります。そのため、これに置き換わる形でCoCo債発行増が見込まれており、こうした発行に対して、同証券の魅力である利回り水準の高さが、投資家の需要を喚起するとみられることが、市場拡大の見方の背景となっているようです。

比較的新しい種類の証券であることに加え、複雑な仕組み*を持つことから、CoCo債の投資家は、足元では経験豊富で、市場を熟知したプロフェッショナルが中心となっています。しかしながら、欧州において、現在実施されている、資産査定(AQR:asset quality review)や健全性審査(ストレステスト)などで構成される包括査定などを通じて、欧州の銀行セクターの財務健全性が証明されるようであれば(結果は10月中に発表予定)、欧州債務危機で失った投資家からの信頼回復が進むとともに、これら銀行が発行するCoCo債の投資・保有に対する安心感が拡がり、市場においてCoCo債への関心が一段と高まると考えられます。

* CoCo債(Contingent Convertible Bonds)は、発行体である金融機関の自己資本比率があらかじめ定められた水準を下回った場合などにおいて、元本の一部または全部が削減される、または、強制的に株式に転換されるなどの仕組みを持っています。

【図表】[左図]欧州の主な銀行の自己資本比率*の推移(2009年10-12月期~2013年10-12月期) 、[右図]主な資産の利回りと格付(2014年8月末)

信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成

世界国債:バークレイズ・世界国債インデックス、投資適格社債:バークレイズ・グローバル・アグリゲート・コーポレート・インデックス、期限付劣後債(銀行セクター):バークレイズ・グローバル・キャピタル・セキュリティーズ・銀行セクター(Lower Tier2)インデックス、永久劣後債(銀行セクター):バークレイズ・グローバル・キャピタル・セキュリティーズ・銀行セクター(Upper Tier2)インデックス、ハイイールド社債:BofAメリルリンチ・グローバル・ハイイールド・インデックス、CoCo債:BofAメリルリンチ・コンティンジェント・キャピタル・インデックス

※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

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