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2015年6月10日

Vol.969 市場の過剰反応に押されるメキシコ・ペソ
~米国景気の改善はメキシコの好材料~

6月5日に発表された5月の米雇用者数が市場予想を上回ると、同国の年内利上げ観測を背景にメキシコ・ペソが対米ドルで売られました。そして、ペソの対米ドル・レートは、3月に付けた水準を下回り、1993年の通貨単位変更以降の最安値を更新しました。

こうしたペソ軟調の主な背景として、米国での利上げとそれに伴なう同国債券利回りの上昇などを受け、これまで新興国に流れ込んでいた投資資金が米市場へ回帰するとの観測に基づく、新興国全般に対する先行き不安が考えられます。しかし、米国で見込まれている利上げは、景気の足取りがより確かになったことを反映する動きであり、結びつきの強い隣国メキシコにとっては、対米輸出の拡大や米国で働いているメキシコ人労働者からの国内送金の増加などにつながると見込まれます。過去を振り返っても、米国経済の好調はメキシコにとってプラスの要因となる傾向があり、2008年のリーマン・ショックのような非常時を除くと、両国の通貨は概ね似通った推移を辿ってきました。ところが、足元では米ドルがほぼ全面高となる一方、ペソは他の新興国通貨とともに売られており、両者の動きに大きなかい離が見られます。こうした中、ペソの状況について、メキシコ中央銀行総裁は5月下旬のインタビューで、市場の過剰反応によって売られ過ぎとなっており、今後、上昇する可能性があるとの見解を示しています。

メキシコのGDP成長率は、1-3月期に前年同期比+2.5%にとどまったものの、米国景気の回復に伴なう輸出拡大などを背景に、今後、加速が見込まれています。特に、4月に日米の自動車メーカーが相次いでメキシコでの投資を発表するなど、自動車関連産業の健闘が期待されています。また、6月7日投開票の下院選挙では、連立与党が過半数に迫る議席を確保した模様で、相対的に安定した政治環境の下、今後はエネルギー改革の進展が期待されます。新興国の中でも安定感のある経済・政治状況に加え、先進国に比べて高い長期債利回り水準などから、米国の利上げ開始を巡る市場の動揺が一巡すれば、ペソの見直しが期待されます。

【図表】[左図]米国とメキシコの通貨*の推移(1999年1月末~2015年4月末)、[右図]メキシコのGDPと政策金利の推移(2008年1-3月期~2016年4-6月期予想) グラフを拡大

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