• 米国雇用拡大→賃金上昇→消費拡大→貿易拡大→世界経済の成長
  • 米国の保護主義懸念は、大統領就任前後から大幅に後退
  • リスクはトランプ政権の不安定さだが、メインシナリオに変化なし

米国雇用拡大→賃金上昇→消費拡大→貿易拡大→世界経済の成長

米国の貿易が活発化し始めている。2016年から輸出入の金額はともに回復しており、17年に入って安定している。ここで注目したいのは、16年後半の急速な回復だ。米国の小売売上高も16年秋ごろから回復傾向にあり、雇用拡大、賃金上昇が一定期間を置いて消費拡大につながったとみられる。

つまり、米国の雇用回復に伴なう賃金上昇が、消費拡大につながり、貿易拡大を通じて世界経済に伝播するタイミングに差し掛かっているといえる。この流れは、賃金上昇→インフレ→米ドル金利・通貨高、という期待と相俟って 、世界経済への強気の姿勢をもたらすことになろう。