投資環境概観

過去数年間、当社マルチアセット・チームが懸念してきた主要リスクの1つは、資産クラス全般が正相関を示すようになる可能性であった。2017年はその正相関シナリオが考え得る限りで最良の形で展開し始め、資産クラス全般にわたってリターンが大きなプラスとなった。株式市場は引き続き、世界貿易の再興やそれを受けた企業収益の回復の恩恵を享受した。社債は、企業の収益性改善やデフォルト率低下を背景に、スプレッドがさらに縮小した。ソブリン債も、バリュエーションが引き続き割高な水準にとどまるとともに利上げやテーパリング(量的緩和の縮小)の可能性が高まったにもかかわらず、通年のリターンがプラスとなった。原油価格は上昇、金価格も上昇し、よく知られていなかった仮想通貨は誰もが知る存在となった。米ドルや農業セクター、あるいはMLPで過度なロングポジションを取っていない限り、投資家の皆さんにとっては相当良い年になったのではないだろうか。