KAMIYAMA Reports vol. 111

  • 2018年に適温相場が終わっても、「リターンが低下する」とはみていない
  • 適温とは子供にちょうどいい温度のスープという意味
  • 2018年は普通になる、つまり「大人のスープ」の温度になるにすぎない

2018年に適温相場が終わっても、「リターンが低下する」とはみていない

2017年の市場環境を振り返ってみると、景気拡大と低金利が共存する、いわゆる適温相場が続き、株式市場は、比較的低いボラティリティ(ぶれ)の中で安定した上昇基調となったことが特徴的だった。しかし、2018年はこの状態が継続しないとみている。しかし、だからといって「リターン(の予測)が低下する」ということではない。

そもそも世界経済の回復は、「リーマン・ショックからの雇用回復→賃金上昇→消費・貿易回復」という強いトレンドに沿っている。これは10年にも及ぶ、長く大きな原因と結果の関係にあるとみている。そうであれば、適温相場が続いた主な要因は、米国の賃金上昇率の安定だと考えられよう。